ソフトB・野村勇 二飛からタッチアップV生還 昇格即スタメン燃えた 眉もぶっとく目立った

[ 2023年8月30日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7―0オリックス ( 2023年8月29日    長崎 )

<ソ・オ>初回、中村晃の二犠飛で三走の野村勇が生還する(捕手は森)(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの野村勇内野手(26)が、勝利への執念を見せた。29日のオリックス戦(長崎)に1軍昇格即「2番・三塁」で出場すると、初回に中前打で出塁し、同満塁で三塁から中村晃の二飛でタッチアップ。魂のヘッドスライディングで生還し先制点をもぎ取ると、この回一気に4得点を奪うなど快勝、連敗を4で止め勝率を5割に戻した。先発のカーター・スチュワート投手(23)は7回無失点で3勝目を挙げた。

 最初から最後まで“ぶっとく”野村勇は目立っていた。オリックスの連勝を8で止めての快勝後のお立ち台。同席の牧原大にいじられてアイブラックを貼られた。平安時代の貴族のようなメークを施し堂々と長崎で叫んだ。

 「もっともっと盛り上がるように(眉毛を)付けてきましたー。悔しい気持ちを糧に練習して、この場所に立っている。みんなありがとう!よろしく」

 ライブ会場でのアーティストを気取ったが、最後は噛(か)んでしまった。走・攻・守+ネタでの盛り上げ隊長が帰ってきた。14日の抹消後「2番・三塁」で昇格即スタメン。7月23日以来となる復帰打席から魅せた。初回1死。カウント2―2からワゲスパックの8球目、内角ツーシームを押し込んで中前打を放つと、柳田、近藤も単打でつながる。同満塁で三走・野村勇は、自慢の快足も判断も切れた。

 「セカンドの捕球体勢、グラブの位置を見て行けるなと。思い切って行った」

 中村晃の飛球は右翼手・野口は追いつかない、二塁手・宜保の右後方に上がった。宜保は左手を体の後ろに上げて捕球後に野村勇の不意のスタートを見て送球。一塁手・ゴンザレスがカットして本塁へ。勢い余って球審に突っ込む弾丸ヘッドスライディングはアウト判定となったが、藤本監督はリクエストを要求。野村勇の左手が先との判断で覆り先制点。勢いに乗り一気に4点を刻んだ。

 超ストロングスタイルの二飛での生還劇。それでも野村勇は「どこに飛ぼうが常に狙っている」との“いてまえ走塁”を貫く。この日、藤本監督は2軍で結果を出した生海を1番、野村勇を2番起用。「起爆剤になってくれたら」との期待通り野村勇は今季初マルチに爆走で鷹をぶち上げた。

 「ナイス走塁、ナイス判断、あれで1点ならば楽や。勇の足は、周東並みに脅威になるよね」。新たな三塁手が決まった上に、チームは連敗を4で止めて勝率5割に戻した。さらに長崎開催は06年4月25日以来17年ぶり白星で「ファイト!九州」最終戦を制した。今日から本拠地に戻って13・5差の首位叩きは続く。野村勇は「何とか必死に食らいついていきたい」。残り31試合。ノンストップで駆け上がるのにぴったりな男が戻ってきた。(井上 満夫)

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