西武 パ新記録9打数連続単打 17安打全部単打は球団23年ぶり 4安打の栗山「コツコツと」

[ 2023年8月21日 05:30 ]

パ・リーグ   西武6―4ソフトバンク ( 2023年8月20日    ペイペイD )

<ソ・西>5回、安打を放つ栗山(撮影・岡田 丈靖)
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 西武は20日、球団新記録となる9打数連続安打を含む先発全員の17安打を放ち、ソフトバンクを6―4で下した。17本全てが単打だったのは、球団史上23年ぶりとなる珍記録。栗山巧外野手(39)は、広告看板直撃で賞金100万円を獲得するなど4安打を連ね、打線をけん引した。

 小さなことからコツコツと――。関西の大御所タレント・西川きよしばりに、単打をコツコツと積み重ねた。今季最多17安打は、なんとその全てが単打。3年ぶりの4安打で貢献した栗山は、地元・兵庫で幼い時から「きよし師匠」をテレビで見てきた。

 「小さなことからコツコツとやっていけたら、成績もちょっとずつ良くなるやろうし、大きな力になる」

 努力を積んできたベテランに“ご褒美”が待っていた。5回2死、3番手・武田のカーブを捉えると、福岡銀行の広告が懸賞部分となっている右翼フェンスに直撃。グラブを持った熊のマスコット「ユーモ」に命中させ、賞金100万円が贈られることになった。ベンチで、人さし指と親指で輪をつくって出迎えた中村から「もらえるで」と、いじられながらハイタッチ。使い道は「これからの子供たちのために寄付していきたい」と未来を担う子供たちへと贈る構えだ。

 そんなベテランの奮闘に打線が沸き立った。同点の6回、佐藤龍の安打から犠打を挟んで球団初の9打数連続安打で一挙5点を勝ち越した。全て単打での達成はパ・リーグ初。左前打で記録的連打に貢献し「何かおかしかった。異常な、変な感じ」とプロ22年目での初体験に驚いた。

 初回の死球を含めて5年ぶりの1試合5出塁をマーク。打率は2割台に乗り、出塁率・357と高い貢献度を示している。チームは今カード初戦で石川にノーヒットノーランを食らい、前日も5安打2得点と沈黙していた。諸々の鬱憤(うっぷん)を晴らした、珍記録での連敗ストップ。「チームとして一個でも勝とうという流れに乗っていけたかな。分けて打てれば苦労しないですけどね」。4位・楽天とは2ゲーム差。味わい深いコメントを残し、帰りのバスへと乗り込んだ。(福井 亮太)

 ≪セは09年ヤクルトが記録≫西武が6回に9打数連続安打。イニング9打数以上連続安打は、09年6月14日オリックス戦でヤクルトが達成した11打数を筆頭に史上20度目で、西武では球団新記録になった。また、西武の安打は全て単打。9打数連続の単打は、前記ヤクルトが、11打数連続安打のうちの1~9打数目まででマークして以来2度目で、パ・リーグ初だ。なお、チームでオール単打のゲーム17安打以上は、西鉄時代の50年5月8日阪急戦(18安打)、00年10月2日ロッテ戦(17安打)に次ぎ3度目。

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