伊東勤氏　初球の入り、状況見極め…目立ったDeNAのベンチワークの拙さ

セ・リーグ   DeNA2―7阪神 （ 2023年7月11日    倉敷 ）

＜神・D＞5回、木浪に2点適時打を打たれる上茶谷（撮影・大森　寛明）
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　【伊東勤　視点】首位攻防初戦。目立ったのはDeNAのベンチワークの拙さだった。5回、佐藤輝左前打、ミエセス右飛で1死。打席は梅野。後ろには前の打席、3点二塁打を放っている木浪が控えている。阪神ベンチの狙いは、何としても一塁走者をスコアリングポジションに送ること。DeNAバッテリーが最も警戒しなければいけないのはヒットエンドランだ。

　初球どんな入り方をするか注目していたが、何の意図も感じられない甘いカットボール。エンドランがかかっていた梅野に待ってましたとばかりに痛打された。1死二、三塁で木浪。DeNAベンチからは誰も出てこない。次打者は青柳。木浪を歩かせたとして、阪神が代打を使って青柳を交代してくれればそれもいい。いずれにしても木浪とまともに勝負する選択はないはずだが、初球、内角低めの直球をはじき返されて致命傷を負った。相手エース青柳も生き返らせてしまった。

　DeNAはあまりにも策がなさ過ぎた。これから先、勢いでは勝てない。頭と経験。ベンチワークがなければペナントはつかめない。（スポニチ本紙評論家）