関本賢太郎氏 先制点につなげた阪神・大山の“考えた走塁” 相手の悪送球誘い佐藤輝はアウトにならず

[ 2023年7月12日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神7-2DeNA ( 2023年7月11日    倉敷 )

<神・D>3回1死一塁、佐野の送球が逸れて一走・大山はセーフ。遊撃手京田(撮影・北條 貴史)
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 【関本賢太郎 視点】阪神・大山の“考えた走塁”が3回の先制につながった。1死一塁で佐藤輝は一ゴロ。ここで一塁走者・大山は走るコースをやや内側に取り、佐野の二塁送球を難しくした。同じ一塁手として、どう走れば投げにくくなるかは経験から分かっている。これが結果的に佐野の悪送球を誘い、佐藤輝もアウトにならずに済んだ。一つのプレーが木浪の満塁一掃打につながっていった。

 相手失策であっても今の佐藤輝には塁に出ることが、何よりの薬になる。凡打が一転して、先制のホームインとなる。それが野球の面白いところだ。佐藤輝も気分を良くして、次の打席に入ることができた。5回には左前打から再び得点に絡んだ。塁に出ると、不思議と点になる。その意味で佐藤輝はまだ「持っている」のだ。

 打撃の状態はいいとは言えない。タイミングは遅れ、前足が突っ立ったまま。ボールとの距離も取れていない。だが、2得点で勝利に貢献したことで「野球をやった」という感覚は残ったはず。試合はひとりだけの力では勝てない。佐藤輝も大山のサポートを参考に、攻走守の野球脳を磨いてほしい。相手が嫌がることをすれば、何かが起こる。2戦目のバウアーに対しても佐藤輝を含めた全員で球数を投げさせ、揺さぶりをかけ続ければ勝機が見えるはずだ。 (スポニチ本紙評論家)

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