【阪神担当・八木記者分析】近本は外せない!6月打率1割台の急下降も代えが利かない攻守の要

[ 2023年6月25日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神0―2DeNA ( 2023年6月24日    横浜 )

初回、空振り三振に倒れた近本(撮影・岸 良祐) 
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 6月の阪神は6勝11敗1分けとなり、5試合を残して今季初の月間勝率5割以下が確定した。5月までは1度もなかった3連敗以上が8~10日の3連敗と今回の4連敗で既に2度。2度の大型連勝(7連勝と9連勝)など19勝5敗で圧倒的に勝ち続けた5月と何が違うのか。進撃と停滞を分けているのが主力打者の打撃成績だ。軒並み数字を落とし、特に近本が急下降した。

 5月は打率・327に加えて14四球を選ぶなど出塁率・416を誇った。一転して6月は打率・178に低迷し、今季の特徴だった四球も9にとどまって出塁率・265。調子を落として迎えたリーグ戦再開では、前夜の今永に続いて難敵左腕との対戦を強いられた。東とは今季初対決。初回先頭では今季5度目の3球三振を喫するなど4打席凡退で攻撃の突破口を開けなかった。

 「スライダーが切れていた。カットボールは少なかったのかな。四球で崩れる投手じゃないし、今年はコントロールもいい。そんな簡単に打てる投手じゃないんで」

 積極的な勝負に出て4打席全てで3球目までに決着。好球必打も実らず、1日1安打ずつの連続試合安打も「6」で止まった。淡々と振り返る口ぶりから察するに、本人はそれほど悲観はしていないようだ。5月最終日の打率・330が・287まで低下。ただ、先発を外れることもある佐藤輝やノイジーと違い、攻守の要として代えは利かない。例年スロースタートでも、終わってみれば、安定した成績が残るように、今回も長いシーズンでの調子の波の範ちゅうといえる。一定の時期が来れば復調は望めるはず。いまは周りがカバーする時期だろう。

 25日はバウアーとの初対戦。交流戦でデビューし、岡田監督が「右投手の時はどんどん使う」と力を認めた高卒2年目の前川の先発出場が見込まれる。左腕2人に完投された直近2試合は出番がなく、セ・リーグとの戦いでは初見参になる。佐藤輝の2軍調整が決まった中、新星20歳が弱り目の虎をどう活気づけるのか。注目している。(八木 勇磨)

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