美爆音をバックに来年こそロッテの勝利を願う

[ 2023年6月25日 09:00 ]

<ロ・日>ライトスタンドから応援する習志野高校吹奏楽部(撮影・河野 光希)
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 【伊藤幸男の一期一会】4年ぶりに復活した「美爆音」とロッテファンのコラボ応援は壮観だった。「ALL FOR CHIBA FES」の一環として、23日の日本ハム戦で実現したイベント。チームは2点差で敗れたが、終盤は習志野高吹奏楽部員が奏でるメロディーと大声援が一体となってZOZOマリン右翼席に響き渡った。途中出場で2三振に終わった同校OBのロッテ・池田来翔内野手(23)が「きょうの打席は、今までの野球人生の中で一番興奮しました」とコメントしたのもうなずける。

 記者は19年春の選抜高校野球を取材。同校野球部が決勝まで進出したシーンを体感した。チャンスとなれば、甲子園の銀傘に鳴り響く「レッツゴー習志野」。試合後、相手校が「あの応援で、自分たちの声がかき消されてしまった」と嘆いていたのを思い出す。

 なぜ、球場を埋め尽くす老若男女が「美爆音」に感動し、共感するのか?同校吹奏楽部顧問の石津谷治法さん(64)が解説してくれた。「やっぱり仲間のためにどれだけ本気になって楽器を吹けるか。一生懸命やる人間を応援する。だから野球部の選手と一体化できるっていうのがいいですよね」。コンクールに備え、石津谷さんが指揮する演奏とは明らかに目つきが違うと証言。とはいえどんなに応援しても、野球部だって負ける時が来る。すると泣き崩れる吹奏楽部員が続出し、グラウンドから連れ出すのが一苦労になる。

 ただ現実を受け入れれば、必死に努力してきた10代は必ず立ち直り、そこから飛躍する。「今度は野球部からもらったエネルギーを自分たちのコンクールやコンサートに注入して皆さんに応援してもらえたり、演奏したりすることを肌と体で示すっていうか、それが本当に大きいです」と石津谷さん。記者が40年前に味わった青春時代をおう歌する姿がうらやましい。

 あとは今夏の習志野高野球部の進撃と「ALL FOR CHIBA FES」開催時でのロッテの白星を願うしかない。「美爆音」をバックにしながら5年連続で黒星なんて、悲しいじゃないか。

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