ソフトバンク・中村晃“チャンスの神様”だ!! 2日連続決勝打「三森が勇気ある盗塁」に気合で応えた

[ 2023年6月25日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3ー2オリックス ( 2023年6月24日    ペイペイD )

9回、サヨナラ打を放ちナインから祝福を受けるソフトバンク・中村晃(左から4人目)(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクは2―2の9回1死三塁、中村晃外野手(33)がオリックス・ワゲスパックから2020年8月26日の同カード以来3年ぶりのサヨナラ安打で今季2度目4連勝を決めた。連勝中3度目の決勝打という勝負強さはまさに“チャンスの神様”だ。リーグ最多74安打を放つ1番打者が、接戦にけりをつけて貯金は今季最多11。2位とのゲーム差も1と広げた。

 2日連続主役となる雰囲気がペイペイドームに充満していた。2―2の9回1死三塁で打席にはリーグ最多安打を放つ中村晃。粘りに粘り、フルカウントからの8球目、ワゲスパックの高め直球を振り抜くと打球は左中間へ飛んだ。三森が生還し、ベンチから飛び出した柳田が二塁ベースに先回りして出迎えた。ヒーローが二塁を踏んだ瞬間、その場で歓喜の輪が広がった。

 「三森が勇気ある盗塁。絶対に決めてやる、打ってやろうと思っていました。いいところに飛んで“よし!勝てた。最高!”と」

 9回1死二塁で2ボールからの3球目に二走・三森が三盗。動きを見て見逃した。「(走者)三塁は(二塁より)だいぶチャンスが増える。打った方よりも走った方をほめるべき」と最敬礼。失敗すれば戦犯になりかねないプレーを決意した後輩の勇気を称えた。

 サヨナラ安打はプロ初だった20年8月26日の同カード以来3年ぶり。当時はコロナ禍で入場制限があり、観衆は4923人だったが、3万9318人の大観衆の前で決めた。「お客さんに見られてこそのプロ野球選手。期待に応えられて良かった」と胸を張った。

 2―2の9回2死、守護神オスナが紅林に左翼テラス席のフェンス最上部に当たる二塁打を許した。あと数センチで勝ち越し弾だったが、入らなかった。「(バットの)芯じゃなかったと思う」と一塁から冷静に見ていた33歳は、その裏にきっちりと決めた。チームは4連勝だが、17日の阪神戦は4―5の9回2死一、二塁で逆転の左中間2点適時二塁打。23日のオリックス戦は1―1の2回1死二、三塁で右前打と連勝中の中村晃の決勝打は、これで3度目となる。

 3試合連続マルチ安打とし、安打数は2位・頓宮に6本差の74。藤本監督も「1番打者としてチャンスで強い打撃が晃(中村)は目立ってますね」と実に上機嫌に振り返る。

 首位をキープし、今季最多を更新中の貯金は11に伸びた。「連勝して終わりたい」と中村晃。今季3度目の同一カード3連勝へ。また、この男のバットが決める予感がする。(井上 満夫)

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