藤浪 アスレチックスと1年4億円超で大筋合意 あるぞ大谷と開幕激突

[ 2023年1月13日 01:45 ]

高校時代、ともに甲子園で活躍した大阪桐蔭・藤浪と花巻東・大谷(左)

 阪神からポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指していた藤浪晋太郎投手(28)が、アスレチックスと大筋合意に達したことが12日、分かった。先発要員としてのメジャー契約で、年数は1年、年俸300万ドル以上(約4億円超)。メディカルチェックを経て、近日中に正式契約する。藤浪は11日に渡米し、最終交渉に臨んでいた。アスレチックスは、大谷翔平投手(28)が所属するエンゼルスと同じア・リーグ西地区。メジャーの舞台で、10年ぶりとなる夢対決の実現が見えてきた。

 阪神から大海にこぎ出すことを志した「FUJINAMI」の新天地は、アスレチックスに内定した。満を持して、夢へのスタートラインに立つ。

 本人の希望通り、先発要員としてのメジャー契約。アスレチックスは昨季、地区最下位と低迷。トレード市場では主力を放出して若手を確保し、再建途上にある。先発投手陣も手薄で、現時点でローテーション入り確定は昨季9勝のコール・アービンと同7勝のポール・ブラックバーンの実質2人。藤浪も先発陣の一角として、大きな期待を受ける。

 図らずも、アスレチックスは大谷が所属するエンゼルスと同じア・リーグ西地区。今季も開幕カードを皮切りに、シーズン全162試合のうち13試合を戦う。仮に藤浪が先発3番手の地位を勝ち取れば、開幕第3戦の4月2日(日本時間3日)にも「藤浪VS打者・大谷」の夢対決が実現する可能性もある。藤浪はかねて「自分がメジャーリーグにいれば対戦する機会もあると思うので、楽しみというか、できたらいい」と青写真を描いており、大谷も昨年10月の帰国時に「いい契約ができるように。一緒に同じグラウンドでできればうれしい」と待ち望んでいた。

 「藤浪VS打者・大谷」は高校時代の12年3月21日、選抜1回戦(大阪桐蔭―花巻東)で初対戦。試合は藤浪擁する大阪桐蔭が制したものの、直接対決では大谷が右越えソロを放った。NPB公式戦では入団1年目の13年5月26日交流戦(甲子園)で対戦。この際も藤浪が7回1失点で白星も、直接対決は3打数2安打と大谷に軍配が上がった。加えて14年3月8日のオープン戦、同年7月19日の球宴第2戦では投げ合ったこともある。世界最高峰の舞台での対決がどういう形になるのか、楽しみは尽きない。

 近年は不振も、日本での実績は十分。NPB通算57勝54敗11ホールド、防御率3・41、通算994回1/3、1011奪三振。歴代8位のスピードで史上154人目の1000奪三振に到達し、自己最多14勝の15年には最多奪三振タイトルも獲得した。17年にはワールド・ベースボール・クラシックにも出場した。

 大谷より4センチ高い1メートル97の長身から最速162キロの直球、常時140キロ台の高速スプリット、カットボールなどを繰り出す。一時の制球難を脱し、先発、救援両面での起用にも耐える。スケール面では「投手・大谷」に勝るとも劣らない「FUJINAMI」が、夢の舞台に挑む。

 ◇藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年(平6)4月12日生まれ、大阪府堺市出身の28歳。大阪桐蔭では3年時にエースとして史上7校目の甲子園春夏連覇を達成。12年ドラフト1位で阪神入団。1年目から先発に定着し、15年まで3年連続2桁勝利をマーク。20年10月19日ヤクルト戦で球団最速(当時)の162キロを計測。21、22年は開幕投手を務めた。17年WBC日本代表。NPB通算189試合57勝54敗11ホールド、防御率3.41。1メートル97、98キロ。右投げ右打ち。

 ▽オークランド・アスレチックス フィラデルフィアを本拠地として、1901年のア・リーグ創設から参加。カンザスシティーを経て68年からカリフォルニア州オークランドに移転。通算9度の世界一はヤンキース(27度)カージナルス(11度)に次ぎ、レッドソックスと並ぶ歴代3位。22年は60勝102敗、79年以来43年ぶりの100敗超えで地区最下位。本拠はオークランド・コロシアム。マーク・コッツェイ監督。

 【藤浪VS大谷アラカルト】

 ★高校時代 12年3月21日の選抜大会初日第3試合だった1回戦で対戦。藤浪は大阪桐蔭、大谷は花巻東のエースとして投げ合い、藤浪は初回に自己最速150キロを計測。9回を143球、12奪三振と快投したが、2回の大谷との初対戦は抜けたスライダーを右翼席中段へ運ばれる先制ソロを被弾。その後は四球、三直、遊飛だった。試合は大阪桐蔭が9―2で勝利。

 ★プロ野球 13年5月26日(甲子園)でプロ初対戦。阪神・藤浪は「5番・右翼」でプロ入り後初の中軸を務めた日本ハム・大谷を2回の第1打席は左飛に抑えるも4回は146キロ直球を左翼線に運ばれ二塁打に。6回も右中間を破る二塁打を許した。試合は阪神が勝利し、藤浪は自己最速タイの153キロを記録するなど7回1失点で白星を挙げた。

 ★プロでの投げ合い 14年3月8日のオープン戦(甲子園)でともに先発。藤浪が5回を9安打5失点。3盗塁を許して黒星の一方で、大谷は5回2安打1失点の“甲子園初勝利”と明暗が分かれた。同年7月19日の球宴第2戦(甲子園)でも先発で投げ合い。藤浪は2回を4安打1被弾の4失点。大谷はプロ野球最速タイ162キロで1回を3安打1失点だった。

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