阪神・近本 「自分の中で凄く成長できた」連続試合安打「30」でストップ、球団記録更新ならず

[ 2022年7月8日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0-3広島 ( 2022年7月7日    甲子園 )

<神・広>連続試合安打がストップするもサバサバとした表情でファンにあいさつする近本(5)(撮影・北條 貴史)
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 阪神・近本光司外野手(27)が7日の広島戦で4打数無安打に終わり、継続中だった連続試合安打は前夜並んだ11年マット・マートンと同じ球団記録の「30」で止まった。アンダーソンの前に3打席目まで凡退。9回の最終打席も栗林に二ゴロに抑えられた。無安打は5月27日のロッテ戦以来で、球団新記録に届かなかった。打線全体でも1点が遠く、零敗は16度目。3連勝で止まり、3位浮上も逃した。

 七夕の夜に願いは届かなかった。0―3の9回1死。近本は最後の打席と覚悟して挑んだ。栗林に3球で追い込まれても、ファウル2球を重ねて食い下がる。カウント2―2から最後の7球目は低めのカーブ。懸命に当てた二塁右へのゴロは名手・菊池涼に阻まれ、球場は大きなため息に包まれた。

 「ここまでやって来られて、自分の中で凄く成長できた…というのもあります。今日で止まってしまいましたけど、これからもヒットを1本ずつ積み重ねていけるようにやりたいなと思う」

 初回2死の第1打席ではアンダーソンのカーブを一ゴロ。4回先頭の第2打席は高めの直球を捉えても左飛、6回1死の第3打席も中飛だった。「30試合連続」の道のりを振り返れば、第1打席安打が7度、第2打席安打が12度、約2/3は5回までに「1試合1本」をクリアしていた。3打席目まで無安打は「17試合目」だった6月19日のDeNA戦以来。追い込まれて迎えた9回の第4打席、当事者しか味わえない独特の緊張感や重圧を楽しむ心境が生まれた。

 「打てなかったのは申し訳ない気持ちですけど、特に4打席目は打席に入る時の球場の雰囲気や自分に対するプレッシャーで楽しかった。“あ~こんな中で野球やれてるんだな”と。どうやって打つか…と楽しみながらやっていたので、結果的には打てなかったですけど、(今後に)つながってくると思う」

 球団記録の更新はできなくても、落胆することなく前を向いた。5月28日のロッテ戦から始まり、3カ月にまたいだ挑戦はプロ野球歴代5位タイで確定。毎試合結果を残す難しさを感じつつ、確かな手応えをつかんだ。30試合以上も安打を継続したのは、長いプロ野球の歴史でも近本を含めて8人しかいない。まだ4年目27歳。矢野監督には「また新たなチャレンジもできる。自信にしてもらって、もっともっと、やってもらったらいい」と背中を押された。“祭りのあと”の余韻には再挑戦への期待がまざっていた。(長谷川 凡記)

 ▽連続試合安打のストップ 79年に広島・高橋慶彦の連続試合安打を止めたのは阪神だった。7月31日の巨人戦の初回に左前打し、プロ野球新の33試合連続安打。2回の守備で二盗を封殺した際に左足首負傷して交代し、翌8月1日から5試合を欠場した。復帰戦だった8月8日の阪神戦は江本孟紀の前に4打数無安打。チームも2安打完封負けで「全てに相手が上でした」と潔かった。11年の阪神・マートンは10月11日の巨人戦で30試合連続安打へ伸ばし、翌12日の同戦では内海の前に3打数無安打、チームもサヨナラ負けで自力でのCS進出の可能性が消滅した。

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