鈴木啓示氏 ガンケルの投球テンポが阪神快勝の要因 野手のハートに響く投球だった

[ 2022年6月13日 06:30 ]

交流戦   阪神9ー1オリックス ( 2022年6月12日    京セラD )

鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示 視点】攻撃は長く、守りは短く。時代が変わっても、これが勝つための鉄則だ。ポンポンとアウトを稼げば、野手は攻撃に集中できる。11安打、9得点。阪神の攻撃は、ガンケルの投球テンポが刺激したと見た。野手のハートに響く投球だった。

 打者が構える前にグラブを構え、間を置かずに投球動作に入っていた。長坂とのサイン交換も一瞬。相手のペースにさせずに、ストライクを先行させた。立ち上がりの3イニングを28球で封じると、無四球の安定した投球。3ボールとなったのも、8回のマッカーシーの一度だけ。完封こそ逃したが、115球完投勝利。攻撃をつなげ、ブルペンにも休養を与えた。中9日の登板で結果を出した。

 打線の援護に恵まれないと嘆く投手は常にいる。だが、その原因の多くは自分の投球の間の悪さにあることに気づいていない。攻撃のリズムをつくるのも、投手の仕事なのだ。

 青柳が先発陣の軸となって、安定した投球を展開していることも、ガンケルの好投の要因だ。ぶざまな投球はできない。仲間に入っていかなければ、チャンスを失う。緊張感が良い意味での連鎖反応につながっている。

 先発、ブルペンと安定している投手陣は阪神の最大の武器。現状では大きな連敗の危険もない。変な色気を出さず、強みを発揮することにこだわれば結果は伴う。(スポニチ本紙評論家)

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