亜大 02年以来20年ぶり日本一!難病を克服した田中幹主将がV打でMVP

[ 2022年6月13日 05:30 ]

第71回全日本大学野球選手権最終日・決勝   亜大7-1上武大 ( 2022年6月12日    神宮 )

<上武大・亜大>優勝し、笑顔で記念撮影を行う亜大ナイン(撮影・小深田 悠)
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 東都の名門がリベンジを果たした。亜大が13年の決勝で敗れた上武大を7―1で下し、02年以来、20年ぶり5度目の優勝。今秋ドラフト候補の主将・田中幹也内野手(4年)が決勝左前2点打を含む2安打3打点をマークして最高殊勲選手賞を獲得した。04年に就任した生田勉監督(55)にとっては初の頂点となった。

 亜大ナインを祝福するかのように、曇天から晴れ間がのぞいた。歓喜の輪。プロ注目の遊撃手で1メートル66と小柄な田中幹も、両手を上げてその輪に加わる。難病を克服した主将の笑顔が、注がれた日差しでひときわ輝いた。

 「野球ができなくなるんじゃないかと思ったが、ここまで回復して、野球ができる喜びを感じて日本一になれた。最高にうれしい」

 昨夏に国指定の難病「潰瘍性大腸炎」を発症。約3カ月の入院で体重が11キロも減るなど気落ちした時期もあったが、部員全員から激励の言葉が書かれた色紙を贈られ前向きになれた。今春から戦列復帰しリーグ戦はベストナインを獲得する活躍で完全Vを達成。全国の舞台に歩を進めた。

 野球ができる喜びを体現した。2回2死二塁の守備では三遊間への強いゴロをダイビングキャッチで処理し先制を阻止。打撃も3回1死二、三塁で左前に決勝点となる先制2点打を放ち、4回も左中間へ適時三塁打を放った。準決勝までの3試合で2安打も、この日は2安打3打点。最高殊勲選手賞に輝いた。

 リーグ戦の勢いを持続して頂点に立った田中幹は「人生で一番の仲間と出会って優勝できた」と胸を張る。競技復帰すらも危ぶまれてから約1年。最高の仲間たちとつかんだ大学日本一で、つらかった闘病生活が報われた。(田中 健人)

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2022年6月13日のニュース