関本賢太郎氏　相手のミスにしっかり付け込めた阪神　スペシャリスト熊谷の活躍で一体感強める勝利に

[ 2022年6月12日 06:30 ]

交流戦阪神3－2オリックス（ 2022年6月11日京セラD ）

　【関本賢太郎　視点】さすが、という投球を見せていたオリックス・山本に阪神打線が粘りを見せた。直球には力があり、フォークも途中まで直球と同じ軌道。打者には見分けがつかないレベルだった。それでもストライクを見逃さずにバットを出し、2死からでも出塁を重ねたことがボディーブローとなり、佐藤輝の一打につながった。

　オリックスが7回無死一塁からの強攻で併殺でチャンスをつぶした流れも、しっかり自分たちに引き寄せた。佐藤輝の右翼への打球を佐野皓が打球判断に迷って、適時三塁打。さらに伏見の捕逸と相手のミスにしっかりつけ込み、阪神の状態が上向いたことを示している。

　交流戦後もセの好投手との対戦が続く。阪神の武器は粘りと足。決勝点となった11回の熊谷の走塁も、送球がヘルメットに当たってからの再加速が素晴らしかった。一気に本塁を狙うトップスピードに入ったことが本塁セーフにつながった。最後の内野安打性の打球の処理を含め、スペシャリスト熊谷の活躍でチームの一体感を強める勝利になった。

　交流戦ではロッテ・佐々木朗、今回の山本と日本屈指のパワー投手に負けなかったことも自信になる。佐々木朗には糸原が2安打、そして、島田、中野で4安打。山本にも島田と中野の2安打に近本、佐藤輝、糸原で7安打。左打者が中堅から逆方向に徹すれば突破口も開く。

　総力戦で最下位を脱出した。DeNA、広島も見えている。この投手力なら5割復帰も早いはずだ。（スポニチ本紙評論家）

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