日本ハム・柿木 3人斬りデビュー「長かった」背水4年目…同期“大トリ”1軍 新庄監督も大喜び

[ 2022年6月12日 06:00 ]

交流戦   日本ハム10―0中日 ( 2022年6月11日    札幌D )

<日・中>7回、2番手で登板した柿木(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの柿木蓮投手(21)が11日、中日戦でプロ4年目で1軍初登板。バット2本をへし折り、3者凡退に抑える鮮烈デビューを飾った。大阪桐蔭ではエースとして3年春夏甲子園連覇に貢献。だが、18年ドラフト5位で入団した日本ハムではドラフト同期7人のうち唯一1軍昇格がなかった右腕がついに、プロとしての第一歩を踏み出した。

 過去3年は苦しいことばかりだった。その思いを力に変え、白球に込めた。出番は6点リードの7回。名前がコールされると、2万1632人のファンが沸いた。

 背水の4年目でようやくたどり着いた1軍の舞台。「長かった。長かったですね」。登板後は感慨に浸ったが、マウンドでは「自分が持っているもの以上は出そうとせず、やってきたことを出そう」とアドレナリン全開で腕を振った。

 A・マルティネスの打席では最速150キロを記録。最後は147キロ直球で押し込んで右飛に打ち取った。阿部は146キロ直球でバットをへし折り、二塁への小飛球。3人目の高橋周は141キロフォークで二ゴロ、またもバットを粉砕した。ベンチ前で出迎えた新庄監督も大喜びだった。

 2軍では13試合に登板して1勝2敗、防御率12・79。8日のDeNAとの2軍戦でも本塁打を打たれるなど2回1失点。だが、映像を見ていた指揮官は「真っすぐがおもしろい」と初昇格を決断した。直感が的中し、見事な投球を披露した右腕に「本人以上に僕がうれしくなりました」と笑顔だった。

 ナインも鎌ケ谷で柿木が苦しむ姿を見てきた。だからこそ、柿木が3者凡退に抑えてベンチに戻るとお祭り騒ぎだ。清宮は後ろから柿木の頭をはたき、帽子が落ちるほど。2軍でもバッテリーを組んできた石川亮は「優勝したかと思った。抱きつきそうになりましたもん」と笑顔。「めった打ちされて(ベンチに)帰ってきた時にこう(下を向いて)なっていたのも見ていた。凄い感じるものがあった。感動しました」。ともに2軍で過ごしてきたからこその女房役の言葉だった。

 一時は「投げた方が分からなくなった」とフォームを見失った。直球は140キロに届かないこともあった。その中でドラフト同期の吉田、野村、万波、田宮が先に1軍デビューし、活躍する姿を見てきた。「やっぱり悔しさの方が強かった」。オフにはロッテ・石川に弟子入りして体の使い方を勉強するなど、懸命にもがいてきた。今回は高卒同期5人が1軍に集結した。「頑張ろうぜ」。5人で誓い合って臨んだ登板で結果を残した。輝かしい実績を残した大阪桐蔭時代のように。ここから新たに実績を積み上げていく。(東尾 洋樹)

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