巨人・平内お待たせプロ初勝利 真っ向勝負で2回完全救援 期待の20年ドラ1が4連勝呼んだ

[ 2022年4月22日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8―4広島 ( 2022年4月21日    東京D )

<巨・広>ウイニングボールを手に笑顔の平内 (撮影・白鳥 佳樹)
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 巨人は21日、広島に打ち勝って今季2度目の4連勝。5回から2番手で登板し、2回、打者6人を完全に抑えた2年目の平内龍太投手(23)がプロ初勝利を挙げた。新人だった昨季はわずか3試合の登板に終わった右腕が4回までの打撃戦を落ち着かせる好投。チームは12球団断トツの10度目の逆転勝利で当面のライバルとの3連戦で3連勝を飾り、首位固めに成功した。

 やっと第一歩が踏み出せた。2年目、7試合目で念願のプロ初勝利。平内は「去年、全然ダメで今年もずっと点を取られていた。やっと抑えられ、勝ちもついてくれてよかったです」と実感を込めた。

 出番は6―4の5回。今季過去3試合は全て失点していた20年ドラフト1位右腕は「自分は向かっていかないと抑えられない」と闘志を胸に打者と真っ向から勝負した。最速151キロの直球を軸に、対戦した全6打者を最後は直球で打ち取った。5回は2番から始まる攻撃を簡単に封じ、続く6回も危なげなく無失点。序盤から打撃戦だった試合を2回完全投球で落ち着かせ「自分のリズムで投げられた」と胸を張った。

 即戦力と期待された昨季は、中継ぎでわずか3試合に登板し、防御率14・40。プロの壁にぶつかった。カウントを悪くし、ストライクを取りにいったボールを痛打されるパターン。「いっぱいいっぱいで何もできなかった」と悔しさをにじませていた右腕は、オフに下半身を重点的に鍛え、体重は入団時から9キロ増の99キロ。直球は球速以上に重くなった。「初勝利を挙げていく年の近い選手や、セーブをどんどん挙げる大勢の姿を見て悔しい気持ちが一番だった」と周囲の活躍にも刺激を受け、前回登板から左肩が早く開く悪癖も修正。この日の結果につなげた。

 これでチームでは今季早くも5人目となるプロ初勝利。原監督は若武者たちが、いい結果を出してくれる」と目を細め、平内についても「自分のボールで勝負できたというのは非常に価値があった」と高い評価を与えた。

 平内は言葉に力を込める。「こういう場面で投げさせてもらえるのがうれしい。まだまだ一番下なので一日一日、勝負だと思ってやる」。潜在能力はチームでも随一。ここから逆襲が始まる。(小野寺 大)

 ◇平内 龍太(へいない・りゅうた)1998年(平10)8月1日生まれ、兵庫県明石市出身の23歳。1メートル85、99キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小1で野球を始めた。神戸国際大付では甲子園出場はなく、プロ志望届を提出も指名漏れ。亜大ではリーグ戦通算6勝5敗。20年ドラフト1位で巨人入団。

 ☆性格 きちょうめんで、小学校のランドセルも6年間使ってほとんど汚れず。亜大時代は母の日にカーネーションの花で作ったクマの人形を贈り、暑中見舞いのはがきを届けたこともあった。

 ☆元プロが親戚 伯父(母・恵三さんの兄)はダイエーで通算28勝を挙げた永井智浩氏(現ソフトバンク球団統括本部編成育成本部長兼スカウト部部長)。少年時代は家族旅行のたびに福岡ドーム(現ペイペイドーム)で観戦した。

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