エンゼルス・大谷、おきて破りも敵地ファンを魅了 大量リード6回にセーフティバント

[ 2022年4月22日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6―0アストロズ ( 2022年4月20日    ヒューストン )

<アストロズ・エンゼルス>6回、セーフティーバントで内野安打を放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 高く構えたバットをスッと下げた。6回1死走者なし。エンゼルス・大谷が、初球を三塁方向へバント。極端に内野手が右に寄る「大谷シフト」を突き投前安打で出塁した。完全投球中の投手のセーフティーバント。敵地はどよめきに包まれた。

 スコアは6―0。メジャーの「アンリトゥン・ルール(暗黙の了解)」では、大差でのバントや盗塁はご法度。だが、大谷のプレーには非難ではなく、大記録の懸かった投手による、予想を超えたプレーへの驚きが上回った。

 対照的にブーイングの嵐だったのはその裏、ホームのアストロズの攻撃だった。先頭のグッドラムが大谷の初球、セーフティーバントを仕掛けファウル。完全試合をバントで破るのもフェアではないという「アンリトゥン・ルール」の一つだ。地元ヒューストンのファンが、ア軍の選手を厳しく非難する光景は異様だった。

 大谷はその場面を「全く(気に)ならない。僕もバントをした。何点差であろうが、勝つための手段として相手も使ってくるということ」と淡々と振り返った。ジョー・マドン監督も「多くの異論があることは承知だ」と前置きし「打者には野手がいないところに打つ権利がある。試合状況は関係ない。とてもシンプル。議論の余地はない」と大人の対応。裏を返せば、それほど大谷が難攻不落だったという証だった。

 7回、大谷の投手交代のアナウンスで、敵地は再び大ブーイング。もっと見たい――。大谷の米国での立ち位置を象徴するシーンだった。

 ≪乱闘や報復死球に発展も≫大リーグでは完全試合が継続している場面で、セーフティーバントを試みることはご法度で、乱闘や報復死球に発展するケースもある。

 01年5月26日にはダイヤモンドバックスのシリングが、パドレス戦の8回1死からデービスにバント安打で阻止され、物議を醸した。

 最近では17年6月21日に、タイガースのバーランダーがロイヤルズ戦の6回1死でダイソンにバント安打を許したが「完璧なバントだったね」と大人の対応を見せた。

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2022年4月22日のニュース