球団を超えた「松坂プロ最後の一日」日本ハム横浜高4人衆に涙の栗山監督 8月移籍の木村は“1番手握手”

[ 2021年10月19日 23:00 ]

パ・リーグ   西武2―6日本ハム ( 2021年10月19日    メットライフD )

松坂が場内一周の時、日本ハムの(左から)近藤、万波、高浜、浅間がサプライズあいさつ。右端は目を真っ赤にして拍手をおくる栗山監督(撮影・尾崎 有希)
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 今季限りで現役を引退する西武の松坂大輔投手(41)が19日の日本ハム戦(メットライフドーム)に先発登板。日米通算377試合目の引退登板で、横浜高の後輩でもある日本ハム・近藤健介外野手(28)と対戦し、結果は四球だった。

 運命的な相手。デビュー戦でも対戦した日本ハムには「平成の怪物」の原点である横浜高出身の後輩が4選手いる。13歳年下で初回に対戦した28歳の近藤健介、14年ドラフト25歳コンビの浅間大基と高浜祐仁、そして18年ドラ4の21歳・万波中正。それだけじゃない。横浜高出身ではないが、今年8月に西武から2対2のトレードで日本ハムに移籍した木村文紀もいる。栗山監督は監督になる前にスポーツキャスターとしてレッドソックス時代の松坂を取材。「ボストンでどれだけ話をしたか。大輔を通して野球の難しさを感じていた部分もあるし、教えてもらった部分もいっぱいある」と語るなど「思い入れが強いので、最後の姿を見られるのはうれしい」と話していたほど。

 試合後、メットライフDのグラウンドを1周しながらファンに笑顔であいさつしていた松坂の目に飛び込んできたのは、最後まで偉大な先輩の姿を目に焼き付けようと日本ハムベンチで引き揚げずに拍手を送っていた横浜高4人衆と目を真っ赤にした栗山監督。
 照れ笑いを浮かべながら5人とガッチリ握手を交わすと場内の拍手が一段と大きくなった。

 1周を終え、西武ナインの元へ向かった松坂の目に再び意外な人物が飛び込んできた。日本ハムのユニホームを着た木村が笑顔で握手待ち。辻監督や西口コーチよりも“上座”にいた後輩に「何でお前が最初なんだよ」とツッコミながらもしっかり1番握手を交わしニヤリ。この心温まるシーンに場内は再び沸いた。

 この間に横浜高4人衆は、試合前に西武ナインが全員着ていた松坂引退特別Tシャツを着て登場。日本ハムユニホーム姿の木村と西武ナインとともにマウンド中央へ。球団の枠を超えた、たくさんの後輩たちの手で5度舞った笑顔の「平成の怪物」の目は真っ赤だった。

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