松坂大輔 デビューから引退試合まで貫き通したある行動 恩師・東尾修氏の教え

[ 2021年10月19日 18:18 ]

パ・リーグ   西武─日本ハム ( 2021年10月19日    メットライフD )

<西・日23>初回、マウンドの後ろから捕手を見てからマウンドに上がる松坂 (撮影・白鳥 佳樹)
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 今季限りで現役を引退する西武の松坂大輔投手(41)が19日の日本ハム戦(メットライフドーム)に先発登板。日米通算377試合目となった引退登板で、横浜高の後輩でもある日本ハム・近藤健介外野手(28)と対戦した。

 松坂は近藤に一礼してマウンドに上がった。日本ハム、西武のベンチ、そしてメットライフドームの観客も総立ちで見守る中、投じた第1球は118キロ。2球目にストライクを投じたが、その後は球が抜け、カウント3ボール1ストライクから大きな拍手の中で投じた最後の116キロの1球は、内角に大きく外れた。

 投球を終えた松坂は、日本ハムベンチに向かって、「ありがとうございました」と一礼。万雷の拍手を受けながら、ベンチへ下がった。晴れやかな表情で、会見で見せたような涙はなかった。

 最後の登板でも貫き通した行動がある。投球練習に入る前、マウンドの後ろから1度、捕手を見てマウンドに立つ一連の動きだ。1999年4月7日のデビュー戦、日本ハム戦(東京ドーム)から377試合目も同じだった。

 デビュー戦、マウンドに向かう松坂に当時の西武監督、東尾修氏が1つだけアドバイスを送った。「マウンドの後ろに立って、捕手を見てからマウンドに上がれ。ミットが近く見える」。言ったのはその1度きり。そのデビュー戦で8回2失点の快投で勝利し、「平成の怪物」となった松坂は最後まで、そのルーティーンを貫いた。

 ◇松坂 大輔(まつざか・だいすけ)1980年(昭55)9月13日生まれ、東京都出身の41歳。横浜では3年時に甲子園春夏連覇。98年ドラフト1位で西武入団。1年目に16勝で新人王、最多勝に輝いた。07年にレッドソックスに移籍し、同年にワールドシリーズ制覇。インディアンス、メッツを経て、15年にソフトバンクで日本球界復帰。18年に中日に移籍し、20年に西武に復帰した。日米通算170勝108敗2セーブ。1メートル82、92キロ。右投げ右打ち。

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