阪神・佐藤輝 先制点呼ぶ84打席ぶり長打で勝利貢献 奇跡Vへ19日からのヤクルト2連戦へ弾み

[ 2021年10月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー1広島 ( 2021年10月18日    甲子園 )

<神・広>3回無死、佐藤輝は右中間二塁打を放つ(投手・九里)(撮影・大森 寛明)
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 阪神・佐藤輝明内野手(22)が18日の広島戦で8月19日のDeNA戦での23号本塁打以来、84打席、60日ぶりの長打を放ち、決勝点を呼んだ。4試合ぶりに先発して3回に右中間二塁打。敵失も絡んで一気に三塁へ進み、犠飛で先制生還した。19日から首位ヤクルトと最後の直接対決2連戦。16年ぶりリーグ優勝の悲願へ、奇跡の扉は開けるか。

 甲子園のファンが待っていた。ホームランでなくてもいい。佐藤輝らしい豪快な当たりに場内は沸き、安どの空気にも包まれた。

 「めちゃくちゃ(甲子園での安打が)久しぶりだったので、うれしかった。今日はいいスイングができたと思いますし、状態は良いと思う」

 4試合ぶりの先発起用に応えたかった。3回先頭。1ボールから九里の甘いスライダーを仕留めた。あっという間に右中間フェンスに到達。右翼・鈴木誠が処理をもたつく間に一気に三塁を陥れた(記録は二塁打と失策)。本拠地では実に7月14日のDeNA戦以来の後半戦初安打。続く坂本の中犠飛で先制の本塁を踏んだ。

 20本塁打で首位快走の原動力になった前半戦から一転、後半戦は59打席連続無安打でセ・リーグワースト記録を更新。描いた上下の波はヤクルトに抜かれて窮地に立つ猛虎と重なる。先発を外れる日も増えた。「準備の仕方であったり、代打の難しさとか、ベンチでの役割とか、いろいろ学ぶことが多い」。ベンチでは気になったことがあればノートに記すなど出場していない間も向上心を忘れなかった。

 4回2死満塁では空振り三振。168個目の三振で、前夜つくった球団最多を再び更新した。7回無死一、二塁ではバント要員として代打・島田を送られ、2打席で退いた。あと1打席だったシーズン規定打席到達も持ち越し。「残りは少ないですけど、1試合、1打席に集中して、しっかり戦い抜くという気持ちでやっていきます」。たとえ1安打でも、“何か”を期待させる男だ。

 首位ヤクルトとは2・5ゲーム差で残り6試合。最後の直接対決を迎える。2連敗なら目前胴上げ。逆に2連勝なら…。最終決戦を前に佐藤輝に1本が出た。矢野監督は「いいヒット。期待に応えてというか、何かきっかけをつかんでほしい」とうなずき、「もう勝つしかないんでね。全員でつなげて、全員でやり切ります」と誓った。強調した一丸に、もちろん佐藤輝もいる。(長谷川 凡記)

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