引退会見で記者にまで気配り 阪神・中田は一番礼儀正しいプロ野球選手かもしれない

[ 2021年9月30日 07:30 ]

<練習試合 阪神2軍・ソフトバンク3軍>桑原(左)と握手をする中田(撮影・坂田 高浩)
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 【記者フリートーク】20年近い記者生活の中でも一番礼儀正しいプロ野球選手かもしれない。初めて会ったのが中日担当時代の04年の指名あいさつ。北九州市大でプロ入りの喜びの声を聞いた時から、印象は変わらない。

 この日の会見後には報道陣へ深々と頭を下げた。「記者の皆さん、なかなか書きづらい、つかみづらい投手で、本当に難しい記事になったと思います。そこも含めて良いふうに書いていただいて、17年間ありがとうございました」。引退会見で家族やファンに感謝する選手は多くても、記者にまで気配りできる人間はそういない。

 ただ、いつも変わらぬ笑顔の応対は完璧すぎる印象もあった。それが崩れたのが07年に亡くした父のことを問われた時だ。涙で言葉が詰まる姿は初めて見た。周囲には決して弱みを見せなかったが、いろんな重圧を背負ってきたはずの17年間。本当にお疲れさま。(阪神担当・山添 晴治)

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2021年9月30日のニュース