阪神・梅野優勝へ激白!!「勢いだけでは勝てない」五輪で学んだ自己犠牲の姿勢、“侍魂”で金色の秋に

[ 2021年8月24日 05:30 ]

16年ぶりリーグ優勝への決意を語った阪神・梅野
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 阪神の梅野隆太郎捕手(30)が23日、スポニチ本紙コラム「梅ちゃん隆儀」の第4回で侍ジャパンの一員として金メダルを獲得した東京五輪を振り返り、16年ぶりリーグ優勝への決意を新たにした。自己犠牲もいとわず勝利を追い求めた五輪での姿勢を猛虎にも浸透させるべく、チームの先頭に立って引っ張っていく思いも吐露。すべての人が報われる「歓喜の秋」を切望した。

 五輪では、たくさんの応援ありがとうございました!金メダルを獲得できて、野球人として忘れられない経験をさせてもらいました。出場時間は多くなかったですが、悔しさは全くありません。試合に出る時も出ない時も準備して、緊張して…全員で5試合を勝ち抜けた思いが一番です。

 ベンチでは何回も準備をしましたし、稲葉監督からも“究極の場面でいくから”と言われていました。ずっと緊張していましたね。キャッチャーというポジションで、すぐに試合に入っていけるようにバッテリーコーチと配球やこのバッターはこういう反応をしますねとか話をしながら。(甲斐)拓也ともずっと話をしていました。

 自分はタイガースの投手の特徴を伝えたり、拓也からは千賀のことを聞いたり。それが自分のできる準備。球宴とはまた違うし、自分が受けた投手の印象を伝えたり逆に教えてもらったり、拓也と言葉を交わす時間がすごく多かったですね。

 試合では坂本さんがバントをしたり、シーズンではまず見ないようなプレーや光景が続いていきました。その中で24人のうちの1人だった自分がどんな役割をしていくべきか。そんなことを考える日々でした。だからこそ、誰も欠けることなく全員が出場して、決勝戦までやりきったというのはうれしかったです。チームでは中軸を打っている近ちゃん(近藤)や栗原もベンチにいて、準備をする選手がいるから、スタメンの選手もいるわけでみんなが報われた金メダルだと実感できました。

 後半戦が始まっていますが、五輪で得た学びや気づきをタイガースに落とし込める部分もあります。大会中はミスしても、稲葉監督や周囲が“次、次”という声を掛け合いながらやっていました。リーグ戦を戦っていく上でも、これはすごく大事なこと。自分が打てなくてもできることはありますし、今もその部分は個人的に気を引き締めてやっています。自己犠牲してでもチームの勝利のために…という選手が1人でも多くなれば結果はついてくると思います。

 若い選手が多いチームでこの位置につけているのは凄いことですけど、ここからは勢いだけでは勝てないですし、しっかりした野球をやっていかないといけません。自分も含めて優勝するために、はねのけていかなければいけないものも多くなります。ダメなことはダメと言うし“なあなあ”で終わらせず、意見の飛び交うチームでないといけません。

 金メダルを首にかけて、タイガースでもこういう気持ちを味わいたい…と強く胸に刻みました。優勝してこそすべての人が報われます。五輪の時の自分がそうでした。前半戦に活躍して今は2軍にいる選手、故障している選手、ベンチで声を出してくれる選手、そして裏方さん…長いシーズンで1人も欠くことはできません。優勝すれば“ちょっとでも力になれた”と思えると思うんです。みんなで最高の景色を見るために、戦っていきます。(阪神タイガース捕手)

 ▽梅野の東京五輪 8月2日、決勝トーナメント準々決勝の米国戦に9番捕手で出場。打撃は3回先頭で空振り三振。4回無死一塁で投手前の送りバント成功。5回2死三塁の得点機は見逃し三振に終わり、2打数無安打。守備では8回までマスクをかぶり、田中将、岩崎、青柳、山崎、千賀の5人とバッテリーを組んで6失点。8回裏に代打・近藤を送られ交代した。試合は延長10回、タイブレークの7―6で日本が勝利。

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