船橋 本橋のサイクル安打で21年ぶり5回戦進出!超進学校 敗戦から導いた“傾向と対策”

[ 2021年7月16日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権千葉大会4回戦   船橋13―6銚子商 ( 2021年7月15日    第1カッター )

<船橋・銚子商>サイクル安打を達成した船橋・本橋は三塁ベース上でガッツポーズ
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は15日、33大会で計178試合が行われた。千葉大会では県内屈指の進学校、船橋が4回戦で古豪・銚子商を13―6の7回コールドで破り、21年ぶりに5回戦に進出。3番の本橋隼人外野手(3年)がサイクル安打を達成した。16日は31大会で計177試合が行われる。

 50メートル6秒1の快足を飛ばし、楽々と三塁を陥れた。本橋は6点リードの6回1死満塁から右中間を深々と破り、サイクル安打を達成。塁上で2度もガッツポーズを披露した。

 「人生でもやったことないからとてもうれしい。でも走者を3人還せたことの方がうれしい」。今大会3年ぶりの快挙。だが個人記録より計5打点を挙げ、7回コールドに導いた喜びが上回った。

 銚子商のエース野村光希(3年)対策が奏功した。打撃マシンを直球とカーブ専用に設定。5月下旬の練習試合で3―6と敗れた右腕攻略へ、狙い球を見極めた上での先制攻撃に照準を定めた。狙い通りだった。初回、本橋の左前打などで野村をわずか2/3回で交代させ、打者一巡の猛攻で4点を奪取。勢いに乗った本橋は2回に左越え2ラン。4回にも左中間二塁打を放った。

 偏差値74を誇り、千葉、東葛飾と並び「千葉公立高御三家」と呼ばれる進学校が15安打13得点で古豪を圧倒し、00年以来の5回戦進出。16強入りは偶然ではない。昨秋に就任した日暮剛平監督の指導の下、文武両道を貫く効率的な練習法で名門・習志野を下すなど秋季県大会で16強入り。今春県大会も57年ぶりの4強に勝ち進んだ。

 ただ準決勝で今春センバツ出場の専大松戸に0―7で7回コールド負け。プロ注目右腕・深沢鳳介(3年)を打てなかった悔しさを成長につなげた。本橋は「相手の速い球を全然打てなかった。そこで夏への課題が明確になった。高めのボールは見逃さず叩く。低めの変化球は追い込まれた状況でも見逃す。全員がイメージを膨らませて練習から取り組んでいる」と力説する。

 船橋の最高成績は1956年の準優勝。初の甲子園へ、日暮監督が「チームの精神的柱」と称する本橋を軸に旋風を巻き起こす。(伊藤 幸男)

 ◇本橋 隼人(もとはし・はやと)2003年(平15)4月26日生まれ、千葉県柏市出身の18歳。野球は柏五小3年から始め、柏二中時代は沼南ベースボールクラブに所属。50メートル6秒1の俊足。1メートル77、73キロ。右投げ右打ち。

 ▽千葉県立船橋高校 1920年(大9)創立。全校生徒1076人(うち女子453人)。野球部も同年創部で、部員は44人(マネジャー3人)。主なOBは野田佳彦元首相、俳優のディーン・フジオカ、オリックスの早川大輔スカウトら。所在地は千葉県船橋市東船橋6の1の1。酒匂(さこう)一揮校長。

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