巨人・戸郷が打撃練習に打ち込む理由 「ホームラン目指して頑張ります」

[ 2021年5月11日 09:30 ]

<巨人練習>投手陣でただ一人だけバッティング練習を行った戸郷 (撮影・森沢裕)
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 密かに「特訓」に励む男がいた。ゴールデンウィーク最終日となった5日のジャイアンツ球場。グラウンドでは2軍戦が行われ、選手たちがファンを沸かせていた一方、室内練習場には巨人・戸郷翔征投手(21)が、打撃練習に打ち込む姿があった。

 再調整のために4月25日に出場選手登録を抹消されており、この日は今村信貴投手(27)やスタッフとともに投手練習を行っていた。キャッチボールやダッシュなど一通りのメニューを終えると、おもむろにバットを握り、ブルペン捕手を相手にケージでの打撃練習を開始。ときおり「おらー!」と気合いの叫び声を上げながら、鋭い打球を放っていた。

 プロ3年目の戸郷。実はここまで通算51打席に立って、まだ安打がない。今キャンプ中に行われた、子どものファンと交流するオンラインサイン会では、「今年の目標は?」と問われると「ヒットを1本打ちたいなと。去年0安打なんで。ホームラン目指して頑張ります」と冗談めかしながら宣言していた。

 それでも、DH制がないセ・リーグでは、投手の「打者」としての役割も大きな意味を持つことは言うまでもない。送りバントはもちろん、安打を放って野手につなぐことができれば相手に精神的ダメージを与え、得点のチャンスも生まれる。打席に多く立つ可能性がある先発投手は打撃も大事な練習といえる。

 もちろん、本業もきっちり調整してきている。その前日だった4日はイースタン・リーグのDeNA戦に先発し、3回5安打2失点ながら最速は151キロをマーク。2連続三振も奪う場面もあり「ボールはめっちゃ良かったですね。いい感覚で投げられたのが一番かなと思います」と表情も明るかった。抹消中は、ボールの回転や球威を見直してきた右腕は11日のDeNA戦(横浜)で1軍復帰し、先発する。投球はもちろん、バットでの活躍にも期待したい。(記者コラム・田中 健人)

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2021年5月11日のニュース