43歳の福留か、20歳の根尾か 中日の「開幕レフト」争いは大ベテランの意地弾で五里霧中

[ 2021年3月22日 05:30 ]

オープン戦   中日9ー2日本ハム ( 2021年3月21日    バンテリンD )

<中・日>6回2死二塁、中日の代打・福留(右)は右越え2ランホームランを放ち、ベンチのナインとグータッチする(撮影・椎名 航)
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 一振りにすべてを込めた。中日・福留はスライダー、直球と3球続いた外角球をじっくり見極め、2ボール1ストライクから真ん中よりに来た125キロのスライダーをフルスイング。鋭い打球が竜党の陣取る右翼席に突き刺さった。

 「最初の一振りで仕留められたのはプラスになる。とりあえず1本出て良かった」

 6回2死二塁から代打で打席に立ち、この日唯一のスイングで「中日・福留」として07年7月3日の広島戦以来、5010日ぶりの本塁打。6打数無安打だったオープン戦の初安打が最高の結果となり「出ないより、出るにこしたことはない。ほっとしている」と頬をゆるめた。

 昨季、43試合で打率・154と苦しんだ最大の要因が慣れない代打稼業だった。スタメンと違い、試合への入り方など「難しいところがある」と代打では19打数でわずか2安打だった。だが、経験を武器にできるのがベテランの強み。オープン戦3試合目で初めて代打で出場し、一発回答。「去年1年経験している分、気持ち、準備の仕方がうまくいった」と胸を張った。

 勝負どころでの一打に期待が集まるが、あくまでも目指すのはレギュラーが確定していない左翼手の座。成長著しい根尾との争いになるが、与田監督も「若手、ベテランが刺激し合うのは良いこと」と競争激化を歓迎する。43歳11カ月で開幕スタメンなら12年山崎武司の43歳4カ月を抜き、球団史上最年長となる。「開幕するまでの間に状態を考えて、しっかり準備していかないと」と福留。3月26日、スタメンに誰の名が刻まれるのか。開幕が待ち遠しい。(徳原 麗奈)

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