日本ハム・上沢「魔球」ジャイロフォーク習得で進化だ!コツは「気持ち悪く投げる」

[ 2021年2月13日 05:30 ]

ジャイロフォークの握りを見せる日本ハム・上沢
Photo By スポニチ

 人気野球漫画「MAJOR」の主人公・茂野吾郎が投げることでも知られるジャイロフォーク。140キロ台の高速フォークを得意とする日本ハム・上沢が「投げ分けられたら面白い」と投球の幅を広げるべく「魔球習得」に取り組み始めた。

 落差の少ない高速フォークと比較し、落差を大きくすることが狙いだ。球の回転軸を進行方向に向けることで、それが実現するという。この日行ったブルペン投球では、回転軸などを測定する「ラプソード」で投げるたびに確認。自身の感覚とすり合わせながら投球を続け「ラプソードを使いながらやっていったら投げられそうな感じはする」と新球習得への手応えを口にした。

 直球と同じイメージで「気持ちよく」振り抜く高速フォークと違い、ジャイロフォークのコツは「気持ち悪く投げる」ことだという。握りは通常のフォークと同じだが、ポイントは球を挟む人さし指と中指の力があえて均等にかからないように腕を振ることだ。「真っすぐみたいにきれいに腕が振り抜けた時はジャイロ回転がかからない。ちょっと気持ち悪いなって腕の振りをした方が落ちる」と説明した。

 落差が大きく「お化けフォーク」と呼ばれるフォークの使い手、ソフトバンク・千賀は、球の縫い目に人差し指をかけてジャイロ回転をかけている。上沢はその握りも試したが、「制球しづらい」と試行錯誤の末に握りは変えず、腕の振りで落とすフォームに行きついた。二本柱の一角、有原がレンジャーズに移籍し、今季は開幕投手の最有力候補でもある右腕。先発の柱としてフル回転が期待されるだけに、さらなる進化を狙う。(東尾 洋樹)

 ▽ジャイロボール 日本のスポーツ科学者らが発見したとされる球種。「ジャイロ」はギリシャ語で「輪」の意味。ボールの回転軸が進行方向と一致し、ライフル弾やアメリカンフットボールのパスのように、スパイラル(らせん状)回転で進んでいくとされる。回転軸の角度や握りによっても変化は異なる。松坂(現西武)が07年にレッドソックスに移籍した際、米メディアが「ジャイロボールの使い手」などと報道、注目を集めた。

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月13日のニュース