ヤクルト古田臨時コーチ、奥川よ神の子になれ 恩師の教え子マー君のような“真のエース”太鼓判

[ 2021年2月11日 05:30 ]

ベンチで笑顔の師弟。古田(左)と野村監督
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 戦後初の3冠王でありヤクルト、阪神、楽天などの監督を歴任した野村克也さん(享年84)の死去から11日で1年を迎える。今季は12球団で6球団の監督が現役時代に指導を受けるなど、球界に「財産」を残した名将。ヤクルトキャンプに参加する古田敦也臨時コーチ(55)もその一人。将来のエース候補・奥川恭伸投手(19)に、最後の教え子である楽天の田中将大投手(32)を重ねた。

 野村ID野球の申し子が、現役時代さながらのマスク姿で構えた。古田臨時コーチが構えるミットの先には、未来のエース奥川がいる。懸命に振られた右腕から放たれるボールを「ナイスボール!」と収めていった。

 「久しぶりに僕もドキドキしました。あんな速い球を捕るのも久しぶりだし。良かったですね!」

 現役時代、野村さんには「捕手としてのイロハというか、“こうやって生き抜いていくんや”とか」と教え込まれた。臨時コーチとして14年ぶりに古巣に戻りユニホームに袖を通した。「僕の話している半分は(野村さんの)受け売り。それを継承するのが僕の仕事」と話し連日、惜しみなく助言を送る。

 この日のブルペンでは、奥川の投じた全71球中、初球から25球を受けた。140キロ中盤を計測した直球に、スライダー、フォーク、チェンジアップを次々とミットに収めた。「両サイドにきっちり投げられて、変化球も投げられて。総合力が高い投手」と才能を再確認。自身が退いた後に打席に立った山田に対する投球も称えた。「普通、山田哲人がそこに立ってたら投げにくい。それをインコース、バチン!と行く。見ていて“あぁ、そういうことね”と。自信がないと投げられない。さすが!と思いました」。そして未来像として恩師の最後の教え子だった楽天・田中将を挙げた。「マー君みたいな投手になってほしいと思う。みんなからエースと言われるような、大事なところでしっかり投げられるエースに」と期待した。

 石川に続き、小川の球を受けた前夜。宿舎の食事会場で首脳陣と「もう一回くらい誰か受ける?」と話題になり偶然、奥川が登場。「今のエース(小川)を捕ったし、未来の(エースの)球を受けるかって話をして」と話が進み実現した夢バッテリーだった。

 2月中に打者相手に登板予定の奥川は「凄く上手だなというのと、終わってからアドバイスを頂いて勉強になりました」と感謝。受け継いだ野村野球を次世代へつなぐ。恩師はきっと喜んでいる。(川手 達矢)

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