ソフトバンク・リチャード 豪快1号!王会長&小久保ヘッドの熱血指導に応えた

[ 2021年2月11日 05:30 ]

シート打撃で左越えに本塁打を放つリチャード(後方左から2人目は工藤監督)(撮影・岡田 丈靖)
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 昨年3月に育成から支配下選手登録された若き大砲が豪快な“今季1号”を放った。ソフトバンクは10日、主力のA組が初の実戦形式となるシート打撃を行い、4年目のリチャード内野手(21)が左翼芝中段に見事なアーチを叩き込んだ。キャンプで王貞治球団会長(80)や小久保裕紀ヘッドコーチ(49)から受けてきた熱血指導に、ひと振りで応えた。

 文句なしの大飛球をしばらく見つめ、笑顔になった。リチャードのシート打撃2打席目。マウンドには右腕の泉。1死一塁の場面で2ボールからの137キロのカットボールをコンパクトに強振すると打球は左翼芝の中段にストンと落ちた。

 「試合を意識して、めっちゃ集中した。(バットの)先っちょだったけど打った瞬間だった。本塁打は一番いい結果。いいアピールになったと思います」

 手応え満点の“今季1号”。本塁生還後、バックネット裏で視察した工藤監督からは「ナイスバッティング!」と声が掛かった。王会長からも「いいスイング。あれで行くんだから。これを続けていこう」と拍手で祝福された。

 三塁コーチャーズボックスで初の実戦形式を見つめた小久保ヘッドコーチも大興奮。スタンドに陣取る報道陣に向かって「書いていいよ。コメント取ってもう帰ってええよ」と最高のトピックとして推してきた。

 背番号「52」で臨む初のキャンプ。新任の小久保ヘッドとは1月31日に初対面。身長1メートル89、体重120キロの巨体に驚かれた。小久保ヘッドが「アメフト好きか?」と聞くと「父が好きです」と応じた。そのときから両者の合言葉は“切れ”。アメフト選手のような動ける巨漢になれるようにと、ボクシングのミット打ちを2度やった。敏しょう性をアップさせ、「シュパン、とパンチを打って(バットを)振るように。6割くらいで軽く振っています」と切れだけで飛ばす。

 2日には王会長から打撃練習中に約25分間の密着指導があった。「パワーではなく“バン”“シュパン”という素振りの感じで振れと言われました」とリチャード。ホークスの両レジェンドに学んだ「力よりも速さ+切れ」。教えを実行し、結果を出した。

 今キャンプ、野球人生で始めて左手にマメができた。「王会長に“左?いいじゃん”と言われました」と笑う。「まだまだこれからも打っていく。期待は感じているし、応えたい。開幕1軍を目指していきたい」。悲願の1軍デビューへ幸先よく、リチャードの4年目が始まった。

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2021年2月11日のニュース