誠也抑えた!クロン斬った!広島ドラ3大道が初のシート打撃で快投

[ 2021年2月9日 05:30 ]

シート打撃に登板しクロン(手前)と対戦する広島・大道

 広島ドラフト3位・大道温貴投手(22=八戸学院大)は8日、シート打撃に初登板し、鈴木誠、新外国人クロンを抑えて、打者5人に被安打1、2奪三振と好投した。登板した投手7人のうち最速となる146キロを計測して真っ向勝負。佐々岡監督からは救援起用に初めて言及された。

 すがすがしいほどの気持ちの強さは、主砲との対戦でより鮮明になった。「アピールする場なので腕を振っていかないと話にならない」。先頭打者のクロンに対し、大道は初球から声を上げて思い切り腕を振った。

 外角低めに決まった直球は、この日登板した投手で最速となる146キロを計測。2球目は真ん中高めの145キロで空振りを奪うなど4球連続で直球を選択し、カウント1―2からの5球目に勝負球のスライダーを初披露した。打者の手元でブレーキを利かせるように外角のボールゾーンに落とすと、力のない片手スイングでの空振り三振とした。

 「あれが僕の定番。追い込んだらああいう配球になる」

 続く鈴木誠にも真っ向勝負を挑み、3球連続の直球で二ゴロに抑えた。磯村に右前打を許すも、正随に134キロのスプリットで空振り三振。直球で押し込みながら、勝負球の変化球を自在に操った。

 「本来ならもっと変化球を投げているけど、会沢さんから“直球で押すぞ”と言われた。僕も主軸がくるんだな…と思ったけど“本塁打を打たれてもいいや”という気持ちでゾーンに投げました」

 佐々岡監督からは、初の実戦登板から恐れずに腕を振る姿勢を評価された。「投げっぷりを含めていいものを見せてくれた。今日みたいなマウンドでの姿は、リリーフに適性があると思った。薄い中継ぎを厚くするためにも必要」。先発との両にらみで適性を見極められてきた中、初めて救援起用する方針を示された。

 「僕は手を抜いていられない立場。体が大丈夫な限りは見ている人も楽しめる投球をしていきたいです」

 5位に低迷した昨季は最後まで勝ち継投を固定できず、ブルペン陣の再整備は今春最大の懸念事項だった。救援として補強したバードの来日時期は未定で、抑え最有力のフランスアは新型コロナウイルスに感染して出遅れている。不測の緊急事態を救おうとする新星が現れた。 (河合 洋介)

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