楽天・マー君 則本昂&酒居&森原に34分“特別講義” 実演つきで経験伝える

[ 2021年2月9日 05:30 ]

キャッチボールする田中将 (撮影・白鳥 佳樹)     
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 右を見て、左を見て。しゃがみ込んだり、のぞき込んだり。せわしなく視線を動かしながら投球に目を凝らす姿は、まるで「兼任コーチ」のようだ。楽天・田中将は自身の練習が一段落すると、ブルペンへ。投球を終えて駆け寄ってきた森原、酒居、則本昂に身ぶり手ぶりを交え、34分間にわたって助言した。

 則本昂は毎年自主トレをともにしている間柄だが、他の2人は初体験の「特別講義」。森原はスプリットのコツを伝授された。7日の練習中に握りを教わっており、早速この日に試投。捕手の後ろから軌道やリリースポイントをチェックしてもらい「(ボール1個分)リリースを前で離したら結構良いと思うよ」と指摘してもらった。酒居は低めに投げる意識について質問。「話をしてもらうのは初めてで緊張したけど的確に話してくださった」と感謝した。

 田中将はヤンキース在籍時もイオバルディ(現レッドソックス)、セベリーノらに助言を送り、飛躍のきっかけを与えた。石井監督は「コーチとのディスカッションも大事だけど、選手同士のコミュニケーションが一番成長する」と意義を強調。小山投手コーチは、ともにプレーした渡米前からの変化を感じており「余裕がある。若い子は実績のある選手が言った方が(助言が)入りやすい。ありがたい」と目を細める。

 第2クール最終日となる9日、2度目のブルペン入りを予定している田中将。実演して教えられるのも現役選手ならではの強みだ。若手にとって近寄りがたいはずの「雲の上の存在」は、短期間で身近な先輩になりつつある。(重光 晋太郎)

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