亜大、8季ぶり優勝! 巨人1位指名・平内がMVP 先発内間らと零封リレーで“特別な秋”制す

[ 2020年11月5日 05:30 ]

東都大学野球 最終週最終日   亜大4―0中大 ( 2020年11月4日    神宮 )

<中大・亜大>最後の打者を抑え雄叫びを上げる亜大・平内(撮影・河野 光希)
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 亜大が中大を下し8季ぶり26回目の優勝を果たした。楽天からドラフト4位指名された内間拓馬(4年)が先発で5回を無失点に抑え、巨人1位の平内龍太投手(同)が9回に登板し零封リレーを完成。平内は最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナイン投手部門に輝いた。今秋は通常の勝ち点制ではなく2回戦総当たりの合計勝利数で争われた。1、2部入れ替え戦は行われず、2部優勝校は1部に自動昇格する。

 昨年の今頃、平内は野球をやめようとまで思い詰めていた。1年後、マウンドで仲間と歓喜の輪をつくる瞬間を迎えられるとは想像もできなかった。4点リードの9回を締めて頂点に立ち「絶対勝つという気持ちで、出せる力を出し切った。4年間、この仲間とできて良かった」と笑った。

 昨春リーグ戦後、調子が上がらず、泣いて退部を申し出た。だが、生田勉監督や周囲は平内の将来性を考えて懸命に説得。考え直した右腕はじっくりとトレーニングを積み、今年3月にはクリーニング手術を受けて秋に備えた。指揮官は「あの時間が平内にとって良かった」と振り返る。

 今秋開幕戦は救援登板でサヨナラ負け。「チームに貢献する」という思いがより強くなった。ワインドアップからセットポジションに変えるなど制球の安定を優先。10月上旬には病院でメディカルチェックも受け、優勝に向けてコンディションの不安も一掃した。前日の同戦は先発して7回無失点に抑え、この日は守護神で9回に登板。最速152キロを記録するなど剛速球を軸に攻めた。最後は内角直球で見逃し三振。学生最後のマウンドで有終の美を飾り、最高殊勲選手などに輝いた。

 例年なら優勝校が出場する明治神宮大会は今年はコロナ禍で中止。「日本一を目標にしていたのでやりたい気持ちはあった」と胸中を吐露する。それでも球界の盟主である巨人のドラフト1位として次のステージに挑む。

 「リーグ戦を通してチームの力になることを課題にやった。次につながっていくと思う」と平内。大学4年間で得た財産を手に、新たな一歩を踏み出す。

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