軟式天皇賜杯 静岡ガス史上8チーム目の連覇 小井が192球熱投、延長14回制した

[ 2020年11月5日 05:30 ]

スポニチ主催・天皇賜杯第75回全日本軟式野球大会ENEOSトーナメント最終日   静岡ガス4―3京葉銀行 ( 2020年11月4日    岡山・マスカットスタジアム )

<京葉銀行・静岡ガス>2連覇を達成し、車谷監督を胴上げする静岡ガスナイン(撮影・中澤智晴)
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 静岡ガスが史上8チーム目となる連覇を達成し、3度目の日本一に輝いた。京葉銀行との決勝は9回に6番・樋口将規一塁手(32)の左前打で追いつくと、延長14回、1番・望月章至遊撃手(28)の一塁強襲安打などで勝ち越し。エース右腕・小井敬宏(28)の192球による6安打無四球熱投で逃げ切った。

 46年ぶりにつかんだ昨年の日本一が、1年経ってさらに静岡ガスナインをタフにした。史上8チーム目となる輝く2連覇。土壇場に追い込まれてから本領を発揮し、14回に望月の決勝打を呼び込むべくチームを救ったのは樋口だ。

 「出ている奴ら、ベンチを温めてくれたそいつらのためにも打ちたい。勝手にバットが出ました。無でした」

 1点を追う9回2死二塁で、低めの変化球にバットを合わせた。打球は左翼線で弾む起死回生の同点打。車谷芳紀監督(37)に「凄いとしか言いようがない」と驚嘆させた一打に「あの時も志田が打って出てくれた。“9回にドラマがあるぞ”と上嶋と言っていたんです」と当時を思い出し、打てるイメージしかなかった。

 “あの時”とはこの日同様、延長14回の激闘を2―1で制した16年岩手国体2回戦。場面は1点を追う9回2死一、二塁で、投手も同じ右腕の佐瀬から中前打で追いつく殊勲打を放っていた。経験値の高さを示し、優勝した昨年に右足ふくらはぎの負傷で試合に出られなかった屈辱心も力に変えた。

 「しっかり打ったことで後輩たちにも見せられた。勝ちたい一心だったし、コロナ禍でもチームが同じ方向を向けました」

 冬の気配を予感させた倉敷で、まだまだ熱い32歳のベテランが胸を張った。(小澤 秀人)

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