横浜商に「ジャンボ」再び!1メートル93左腕・笹川、4回零封&40号 試合後プロ志望表明

[ 2020年8月10日 05:30 ]

神奈川大会2回戦   横浜商10-0大磯 ( 2020年8月9日    横浜 )

<大磯・横浜商>4回2安打無失点の好投を見せた横浜商・笹川(撮影・久冨木 修)
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 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は9日、全国で58試合が行われた。神奈川では2回戦で横浜商が大磯に10―0で快勝。「3番・投手」で出場した笹川吉康投手(3年)が初回に右越え先制ソロを含む3打数2安打1打点、投げても4回無失点と好投し、プロ入り希望を表明した。また、南北海道、三重、石川、広島、愛媛で決勝が行われた。

 1メートル93、85キロの笹川がスケールの大きさを発揮した。初回、横浜スタジアムの右翼席に一直線に突き刺した推定120メートルの先制弾に相手の大磯ベンチもざわめいた。

 「プロと同じ球場で打ててうれしい。ひと振りで緊張を解くことができた」

 大磯先発の左腕・田原明成(3年)はボールの出どころを隠す変則フォームだったが、関係ない。「変化球が多いデータがあった。カーブ狙いでした」。初球のボール球の直球には不動。2球目のカーブをギリギリまで引きつけ、体を鋭く回転させ、今大会初スイングで捉えた。新型コロナウイルスの影響による活動休止明けから練習試合も含め12本塁打を量産し、高校通算40本塁打に到達。入学時68キロだった体重も85キロまで増えるなど、驚異的な成長曲線を描く。

 投球では、角度のある直球を中心に4回2安打無失点で3三振を奪った。「投手はあまり自信がない。内容は良くなかった」と話し、まだ自己最速も140キロだ。だが、手の大きさを生かしたフォークなど、可能性は無限大だ。春夏の甲子園出場16度を誇り「Y校」の愛称で知られる同校の長身左腕といえば、79年夏の甲子園でベスト4に導き、ヤクルトでもプレーした「ジャンボ」こと宮城弘明氏(58)。その姿がダブって見える。

 「新ジャンボ」は試合後にプロ志望を表明した。「(大学に進んで)4年後に注目してもらえる保証もないですし、ケガもある。目の前にチャンスがあるならば挑戦したい」。神奈川の代替大会は、NPBのスカウトの入場はできないが、一球、一打席を大切にアピールを続ける。(柳内 遼平)

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