大谷、11打席連続無安打 打者専念の気負いか…マドン監督困惑「何なのか分からない」

[ 2020年8月10日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス0―2レンジャーズ ( 2020年8月8日    アーリントン )

大谷の6回の第3打席。この日は4打数無安打に終わった(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が8日(日本時間9日)、敵地でのレンジャーズ戦に「4番・DH」で出場し4打数無安打に終わり、2三振を喫した。「右肘付近の屈筋回内筋痛」の診断を受け、今季の打者専念が決まって初めて出場した6日の第1打席に左越えソロを放って以降、11打席連続無安打。打率は・132と、快音が続かずに苦しんでいる。

 予言が当たらなかったからではないだろう。ジョー・マドン監督は、首をひねるばかりだった。「球場が変わって球の見え方が違うのか何なのか分からない…」。大谷が今季オープンしたレンジャーズの本拠グローブライフ・フィールドで2試合無安打、5三振。シアトルでのマリナーズ戦で豪快アーチを放った2日前に「(大爆発の)寸前にいる」と言った指揮官の笑顔は、すっかり消えていた。

 大谷はレ軍の先発アラードに2打席連続三振を喫すると、右投手に代わった3打席目以降も一ゴロ、右飛に倒れた。左腕アラードに対しては右足を半足分オープンにするスタンスで臨む工夫を試みたが実らず、今季は左投手に10打数無安打。ボールを見逃す際に後ずさりするなど、かかとに重心がかかり右腰と右肩の開きが早いのを修正できなかった。

 打者専念の気負いも見えた。6日の一発以降「ヒールアップ」と呼ばれる右足のかかとを上げるひねりが、打席ごとに大きく強くなった。ひねった分を戻すための動きが速くなり、右膝、右腰が早く開く。この日、10スイングで空振り6度。精度の低下は明らかだ。

 レンドンが打率・111、プホルスも打率・186と中軸が振るわず、開幕15試合で5勝10敗。13年以来で、球団史上5番目に悪い滑り出しとなった。「左中間目がけて打つ、いつもの打撃が戻れば」とマドン監督。浮上に欠かせない大谷の復調を期待した。(アーリントン・奥田 秀樹通信員)

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