全国初の決断 福岡県 代替大会を断念 球児の感染リスク払拭できず 県高野連「3年生に申し訳ない」

[ 2020年5月26日 05:30 ]

練習に励む筑陽学園ナイン。福岡県は代替大会の開催が見送られた(撮影・岡田 丈靖)
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 緊急事態宣言が全国で解除された25日。福岡県高野連が苦渋の決断を下した。土田秀夫会長は「現時点でできる予防対策を全て行ったとしても完全にリスクを取り払うことは、どうしてもできないという結論に達しました。3年生に対しては大変申し訳ない気持ちでいっぱい」と説明した。都道府県の高野連が断念を表明したのは全国で初めてとなる。

 20日に夏の甲子園の中止が決定。22日の常任理事会では代替大会の開催を目指して議論し、日程的には開催できることを確認した。感染予防対策の消毒液も潤沢に準備できていたという。ただ、感染症専門家の意見も仰ぎ、野口敦弘理事長は「完全な終息は見通せていないためリスクが残り、部員の安全確保ができるのかとなった。ここ1、2カ月で解決できない課題が多かった」と決断した。9月以降に代替大会を実施することも検討されたが、ケガのリスクと受験を控える生徒も多いことから見送られた。

 昨夏甲子園に出場した筑陽学園の江口祐司監督は「3年生の気持ちをまとも(正常)にすることしかない。(どこの学校も)みんな同じ思いをしている」と心境を吐露した。強豪の福岡大大濠・八木啓伸監督からこの日朝に電話があり、夕方に筑陽学園のグラウンドで会談。「3年生のためにやってやれることはないか」と学校同士の連携を模索した。

 野口理事長は「練習試合の3年の参加に制限はない。卒業するまでは野球部員だ」と説明。練習試合は学校や行政の判断に委ねるとした。 (杉浦 友樹)

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