ヤクルト・ドラ1奥川、実戦さながらプロ最多106球!開幕信じ「コツコツと努力していきたい」

[ 2020年4月21日 05:30 ]

戸田球場のブルペンで投球するヤクルト・奥川(球団提供)
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 ヤクルトのドラフト1位・奥川恭伸投手(19)が20日、埼玉県戸田市の戸田球場でブルペン入りし、高津臣吾監督(51)らが見守る中、プロ入り後最多の106球を投げた。高津監督は5月7日以降に再開される全体練習で打撃投手など実戦形式へ段階を上げる方針。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が見通せない中、黄金ルーキーは着実に階段を上がる。

 小雨がぱらつき、やや肌寒さの残る、あいにくの天気だったが、奥川が熱投を見せた。スライダー、フォークと変化球を交えてプロ入り後、初めて100球の大台を超える106球を投げた。

 「打者を立たせて捕手にサインを出してもらい、より試合に近い状況をイメージして投げることができました。球数も100球を超えて順調に投げることができています」

 16日に19回目の誕生日を迎えてから初のブルペン。捕手がカウントを指定し、状況を細かく設定する中、走者を置いた場面も想定してクイックモーションで投げるなど、実戦さながらの投球練習となった。「高津監督、池山(2軍)監督が見てくださっていたので少し緊張しました」と話したが、投球に熱視線を送った高津監督も「自主練習期間ではあるが、非常に状態も良く、ストレートに力もあり、どの球種でもしっかりストライクが取れている」と評価した。

 次回は中5日で26日に投球練習を行うが、5月からはいよいよ「対打者」へ段階が上がる。指揮官は「全体練習が始まったときに、打者に対してしっかり投げることができるよう、今は進めている」と説明した。全体練習再開は最短で5月7日。同6日までとなっている緊急事態宣言が解除されるかどうかにかかっているが、フリー打撃、シート打撃に進む準備は整った。

 チームは8日から5日間は自主練習も中止。球場にすら行けなかった。練習時間も含めて限られているが「先が見えない状況ですが、1年間戦える体づくりが基本になってきますので、コツコツと努力していきたい」と前を向く。寮での時間は星稜時代の自身の投球フォームを動画でチェックするなど、常に「自分本来の形」をイメージし、投球へとつなげている。

 首脳陣は試合は2軍から経験を積ませる方針。「一日でも早く新型コロナウイルスが終息することを毎日願っています」と話す右腕は1軍マウンドに立つ日を信じて、前に進んでいく。(黒野 有仁)

 ◆奥川のこれまで
 ▼1月14日 埼玉・戸田の新人合同自主トレで約70メートルの遠投。
 ▼同15日 横浜市内の病院で検査を受けた結果、右肘に軽度の炎症がみられ、ノースロー調整が決定。
 ▼2月1日 宮崎・西都での2軍キャンプ初日。解禁されたシャドーピッチングを約10分。
 ▼同15日 リハビリでの別メニュー調整から全体練習に復帰。
 ▼同22日 初ブルペン。片膝立ちの捕手に直球のみ22球を投げ込む。
 ▼3月11日 埼玉・戸田で初めて捕手を座らせてブルペン投球。30球を投げ「まずは投げられて良かった」。
 ▼同19日 初めて高津監督が見守る前で53球の投球練習。指揮官は「思った以上に縦の角度も横の角度もある」。
 ▼同24日 8度目のブルペン入りで変化球を解禁。スライダー、カーブ、フォークを交えて63球を投げる。

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