支えてくれる周囲への感謝を…巨人若手に浸透する阿部2軍監督の“イズム”

[ 2020年4月21日 09:00 ]

巨人の阿部2軍監督
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 巨人・阿部2軍監督らしい教えだった。18日の球団公式ツイッターに2年目左腕の横川が、ブルペンのマウンドを自ら整備する動画がアップされた。スパイクで掘れた部分をトンボでならした後、専用の道具で上から10分以上たたいて土を固める。決して楽な作業ではない。

 横川は「阿部さんから“こういう状況の中で、裏方さんが、毎日こうやって自分たちのためにやってくれている。今こういう時だからこそ、ありがたみを感じながら、選手も率先してやるように”と言われている」と明かした。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、チームは個人調整期間中。先行きが不安な日々が続くが、時間ができたからこそ“支えてくれる周囲への感謝を”という教え。横川は「体験してみてよかった。ちょっとやっただけでも大変だったので、感謝しないといけないと改めて思いました」と汗をぬぐった。

 現役時代から、気遣いを忘れなかった。捕手として、07年から8年間務めた主将として、「目配り、気配り、思いやり」を信条に常に周囲を気にかけた。外国人とも積極的にコミュニケーションを取り、定期的にブルペン捕手や打撃投手ら裏方を食事に誘った。昨年12月には、引退までの15年間支えてきてくれた個人マネジャーに恩返しと“これからもよろしく”の思いを込めた特製の将棋の駒を贈ったこともあった。

 コロナ禍で開幕は6月以降の見通し。阿部2軍監督は18日に球団を通じて「プロ野球界もいろいろな動きがありますが、まだまだたくさんの方々がコロナウイルスで苦しんでおられます。その中でも、我々はこのように活動させていただいていることに感謝して毎日を過ごしていきたいと思います」とコメントした。20日のツイッターにも育成2年目の沼田が同様にマウンド整備する様子がアップされた。阿部イズムは浸透している。(記者コラム・青森 正宣)

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