超積極的な矢野野球 対外試合初白星 早くも“イズム”浸透 ノーサイン走塁連発

[ 2019年2月15日 05:30 ]

練習試合   阪神5―2楽天 ( 2019年2月14日    宜野座 )

対外試合初勝利を飾り、ナインをハイタッチで出迎える矢野監督(左から2人目)(撮影・北條 貴史)
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 収穫十分の白星発進だった。今キャンプ初の対外試合で楽天に勝利。1軍初さい配を振るった阪神・矢野監督も、記念すべき初勝利には笑みを浮かべて喜んだ。

 「選手がいい形でやってくれないと、勝ちというのはないのでね。そういう意味では勝って良かった」

 グラウンドでは若虎が躍動した。2軍監督として「超積極性」を掲げた昨季同様に、試合前には選手たちに対して「積極性」を指示。12年ぶりの日本一へと導いた基本方針を、初陣から実践した。積極的なミスは“歓迎”する姿勢も変わらない。選手たちの背中を押して、戦いの舞台へ送り出した。

 「やってきたことをやってもらうということと、前に前に気持ちを持っていくような形でやっていこうとは言いました。その通りの動きだったり、声だったり、そういうこともできたなかと思う」

 三塁ベンチからは結果以上に内容や細かい動きの部分に熱視線を送った。選手はそれに応える果敢なプレーを連発した。特に際だったのが走塁だった。「僕は自分でやるっていうのをすごく大事にしたい」。実戦でも自主性を尊重。ノーサインの中、選手たちは積極的な走塁で次の塁を狙っていた。

 6回までに盗塁死は3個も記録していた。それでも最後まで、チーム全体として消極的な姿勢は見られなかった。7回1死一塁。代走として途中出場した島田が、坂本の3球目に初盗塁を成功させた。もちろん、サインを待つのではなく、自らの意思と判断。矢野イズムが早くも浸透している証しだった。

 「そういう(走るという)役割を求められていると思うので決められてよかった」

 島田自身も手応えと自信をつかんだように、若手によるアピール合戦は激化する一方だ。「(二遊間争いも)どうする…。どうしようか」。虎の将が発したうれしい悲鳴に、逆襲への順調な歩みが見て取れた。(山本 浩之)

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2019年2月15日のニュース