広島選手会長・会沢の決意「満足をしているようでは終わってしまう」

[ 2019年2月15日 08:00 ]

笑顔でポーズをとる会沢 (撮影・奥 調)
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 広島の会沢翼捕手(30)は春季キャンプ休日の14日、スポニチ本紙の単独インタビューに応じた。昨季、新井貴浩氏(本紙評論家)が「家族」と表現したチームを「仲間」と言い表して、選手会長としてチームメートを守り抜く決意を示した。日本シリーズに出場した昨年の経験を糧に、悲願の日本一に向けた戦いの準備を進める。(構成・河合 洋介)

 ――日南1次キャンプが終わっての仕上がりは?

 「もっともっとレベルアップしていける。その中で、さらに投手とコミュニケーションも取りながらやっていきたい」

 ――昨季は打率・305、13本塁打、42打点とキャリアハイの打撃成績を残した。

 「捕手でもっと打っている方はたくさんいる。そういうところを目標にしていかないと。もっと上のレベルでやりたい」

 ――相手の攻め方は変わった?

 「それはあった。でも、こっちも“あれ?”となるのではなくて、こういう配球ででくるのかと読めてきた。色んなことをイメージしながら。内角も増えてきたけど、そんなところでビビッていても仕方ない」

 ――結果を残して迎える今季。楽しむ気持ちはある?

 「不安でしかない。去年ぐらいの成績で満足しているようでは終わってしまう。ある程度やれたという自信は持っていいのかもしれないけど、変な自信にしてはいけない。その不安を消すために練習が大事になるし、打撃の練習だけではなくて、それは捕手としても一緒」

 ――新井貴浩氏が引退して、巨人から長野が移籍するなど、メンバーが変わった中でのキャンプインとなった。

 「それぞれの決意がある中でのキャンプイン。僕はみんなの顔を見てまたやるぞという気持ちになった。引退された方といなくなってしまった選手を気にしてもね…。チームは進んでいくしかない」

 ――投手とのコミュニケーションも重要な役割。

 「今でも難しいね。去年は、“思い切ってやるしかないんだから”とよく投手には言っていた。“四球が多い”と去年の前半は言われたけど、意味のある四球はいいんだよと。勝負にいって四球を出すのと、逃げに行って四球を出すのは、全然違う。どうしようとなって逃げる四球はやめてくれと伝えていた」

 ――会沢選手をはじめ、菊池涼や田中広など野手がチームの中心に多い。

 「投手中心に意見交換をしてくれてもいいと思っている。難しいところですけどね。今は優勝しているからいいけど、苦しくなったときにどうなるか。そうなる前に手を打ちたい」

 ――新井氏は去年、チームのことを家族と表現した。

 「新井さんらしいなと思った。家族とも思いますけど、家族は新井さんの言葉という感じ。僕は仲間という感覚が強い。守ってあげたい。仲間を絶対守ろうと思える」

 ――なれ合いではない。

 「競争意識がある。レギュラーで出たいという気持ちを持っている子ばかり。言うことは言うし、なれ合いとは絶対に違うなと。僕が目を光らせながらという感じでやれたらいい」

 ――昨季の日本シリーズは、ソフトバンクに1勝4敗1分け。差をどこに感じた?

 「場数の違いでしょうね。“ここで打たれるんだ…”とか、“ここで点取れないんだ…”とか。やってきた数が違うんだろうなと試合をしながら感じていた」

 ――クライマックスシリーズと日本シリーズは違った?

 「僕は日本シリーズに出たのは初めてだったけど、全然違う。“こんなに緊張するんだ”とか、“1点でこんなに流れが変わるのか”と感じた。初戦から“なんでこんなに点が入らないんだ…”と思っていながらの(延長12回、2―2での)引き分け。1試合でこんなに疲れるのか…と。試合が進んでいくうちに“こんな経験なかなかできないよな。いい経験できているな”と思いながら試合をやっていた」

 ――第5戦で延長10回に柳田にサヨナラ本塁打を打たれたときに「人生で一番悔しい」というコメントもあった。

 「まじで悔しかったね。あの試合は「絶対、今日はいける」と思っていたから。魔が差す1球。(1点優勢の7回の)フランキー(フランスア)のときもそう。明石さんへの(同点ソロ)本塁打。大丈夫だろうなと思って投げた1球のときに、いかれた。本当にいい経験になった」

 ――今年に生かせる経験になった。

 「生かせると思う。マスクをかぶってみないと分からないから。周りから見ていても分からない」

 ――3連覇しても気持ちは挑戦者のまま?

 「気持ちは変わらない。去年は、3連覇したのがセ・リーグでは巨人しかいないというので不安しかなくて、その中で3連覇できた。その自信はあるかもしれないけど、不安なのは変わりないからね」

 ――3連覇という黄金期に選手会長を務める。

 「それはうれしい。3連覇のときに1軍に出られていなかったら、正直な話、自分のプラスにはならない。そこで試合に出ていて、少しでも貢献できたことは自分にとってプラスだと思います」

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2019年2月15日のニュース