阪神ドラ1近本 実戦映え 他球団警戒「即戦力だね」

[ 2019年2月15日 05:30 ]

練習試合   阪神5―2楽天 ( 2019年2月14日    宜野座 )

7回1死二塁、近本は左中間に適時三塁打を放ち、二塁をまわる(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は沖縄・宜野座キャンプ第4クール初日の14日、今春初の対外試合となる楽天戦に臨み5―2で勝利した。「9番中堅」でフル出場したドラフト1位・近本光司外野手(24=大阪ガス)は、プロ入り後初の適時打を含む2安打1打点をマーク。チーム唯一の複数安打で存在感を示し、中堅争いを一歩リードした。

 対外試合初戦の主役は近本だった。プロ初の適時打を含む2安打1打点。矢野阪神の初陣に花を添える躍動で、虎党からは一番の歓声を浴びた。

 「安打が出たのはよかった。直球でしっかりコースに逆らわずに打てたと思う」

 まずは先頭で迎えた3回。1ボール1ストライクから、140キロの直球を中前にはじき返した。最大の見せ場は7回1死二塁の第3打席。初球の直球をライナーで、左中間へはじき返した。50メートル走5・8秒の快足を生かし、悠々と三塁へ到達するタイムリー。あまりの速さに、ヤクルト・山口重幸スコアラーは「一つのファンブルがあれば本塁まで還っている」と舌を巻いた。

 「1打席目で初球を捉えられなかったので。逆方向にしっかり打てたのはよかった。もっと1本1球を大事にしていきたい」

 チームが掲げる超積極性を体現できたことに価値がある。的確な状況判断も光った。「中堅が右中間に寄っていたので」。逆方向に狙いを置き、思惑通りに快音を奏でた。実戦3試合で打率・500。矢野監督は「実戦になればなるほど、近本の魅力が出る」と改めて感心した。

 一つの走塁ミスをプラスに変えた。11日紅白戦の6回1死。一塁走者としてスタートした近本は、中谷が二飛を打ち上げても全力で三塁まで駆けてしまった。アウトカウントを勘違いしていたための凡ミス。反省は忘れなかったが、すぐに前を向いた。「(走塁ミスから)気持ちが楽になった。考え方が変わって、力みよりコツというのを(おさえて)やっていきたいと思うようになった」。この日も中前打で出塁した3回に、二盗を失敗。それでも悲観することなく、「スタートが一番悪かったのと、スライディングを緩めてしまった」と修正点をあぶり出した。

 社高の後輩でもある楽天・辰己は対照的に無安打。昨秋ドラフト会議では辰己の外れ1位クジを外した後に指名される因縁もあったが、今回は先輩の貫禄を見せつけた。辰己は「近本さんはミスショットが少ない。まねできるように生かしたい」と脱帽した。

 「まだ課題もあるので、練習から意識して次の対外試合で克服できるようにしたい」。飽くなき向上心で中堅争奪戦を制す。(長谷川 凡記)

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2019年2月15日のニュース