沖学園・吉村 復帰支えた母のラーメンとビビンパ

[ 2018年8月14日 08:50 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第9日・2回戦   沖学園4―10大阪桐蔭 ( 2018年8月13日    甲子園 )

<大阪桐蔭・沖学園>5回、中川の打球をダイビングキャッチする沖学園・吉村(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 【メモリアル・メモリーズ】1メートル71の沖学園(南福岡)4番・吉村は、母に教わった「野球とは粘りと気持ち」を体現した。ドラフト1位候補の根尾から2回、チーム初となる三塁線を破る二塁打。2―3の6回2死二塁では中前適時打で一時振り出しに戻した。

 「ともに根尾君のスライダーを捉えられた。自慢話です。通用したと思うし、胸を張って福岡に帰ります」

 実は幼少期からの夢だった甲子園出場を諦めかけたことが2度ある。1年冬に両膝を疲労骨折し離脱。2年秋の練習試合中には左足首を分散骨折し手術も行った。歩行もままならない。体重は15キロ減った。「マネジャーになろうかな」。男だけの4兄弟。三男坊は母・祥代さん(48)に相談すると諭された。「まだチャンスはある。最後だから諦めず、やってみたら?」。今年6月の復帰まで好物のラーメンとビビンパばかりが食卓に並んだ。

 「冷たくていい」と、いつでも振れるようにマイバットと添い寝した。2試合で5安打2打点。「野球はメンタル。デカい、うまい、じゃなかった」。自信と砂を持ち帰った。 (井上 満夫)

 ◆吉村 脩希(よしむら・なおき)2000年(平12)12月31日生まれ、福岡県出身の17歳。小学1年からソフトボールと軟式野球を始め、中学時代は福岡ドラゴンズに所属し、投手、捕手、外野手。中学3年でU―15ポニーリーグ日本代表。沖学園では2年秋に4番も、その後は故障で離脱。1メートル71、67キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2018年8月14日のニュース