中西清起氏「純粋に楽しめた」レジェンド始球式で低めへズバッ

[ 2018年8月14日 09:40 ]

<常葉大菊川・日南学園>始球式を行う中西清起氏(撮影・坂田 高浩)
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 第100回全国高校野球選手権大会第10日は14日、甲子園球場で2回戦が行われ、第1試合の常葉大菊川(静岡)―日南学園(宮崎)の試合前に、高知商OBの中西清起氏(56)が「レジェンド始球式」に登板。13シーズンを過ごした阪神の本拠地で、低めへノーバウンドのボールを投げ込んだ。

 始球式を終えた中西氏は「(ノーバウンド投球に)ホッとしている。真ん中に投げたかったけど、引っかかり気味で。マウンドは久しぶりなのでかなり緊張した。いい思い出。プロとは違って純粋に楽しめた」とコメント。高知商では甲子園に4度出場したが、「すべて覚えています。(3年のセンバツで)優勝した時や箕島に負けた時とか。(78年夏、控えで甲子園初登板した)倉吉北戦は緊張してキャッチャーミットしか見えなかった」と思い出を振り返った。

 母校の高知商は強力打線が本領を発揮。1回戦では山梨学院との乱打戦を14―12で制し、2回戦では慶応に12―6で大勝した。「上田監督は母校同期でキャプテン。『打つチームをつくった』というから『1戦1戦頑張ってくれ。応援するから』と伝えました。(高知大会で)明徳義塾に勝ったときは電話、1日には大阪で食事もしました」と明かした中西氏。「ここで戦った3年間は、人生の中で味わえない時間となる。1試合でも1分でも長く楽しんで戦って欲しい。私も3年間があるから今がある」と出場した球児たちへエールを送った。

 中西氏は高知商3年時の1980年のセンバツではエースで4番としてチームを引っ張り、決勝では帝京・伊東昭光(元ヤクルト)との投げ合いを制して初優勝を飾った。水島新司氏の野球漫画「球道くん」の主人公「中西球道」にちなんで「球道くん」のニックネームがついた。社会人のリッカーを経て83年のドラフトで1位指名され阪神へ。チームが日本一に輝いた85年に11勝19セーブを記録し、最優秀救援投手のタイトルを獲得した。96年引退。

 100回大会を記念して行われる「甲子園レジェンド始球式」には、夏の甲子園で活躍した18人のレジェンドが毎日登場。20日の準決勝2試合にはPL学園(大阪)で夏2度の優勝を果たした桑田真澄氏(50)と、日米球界で活躍した「大魔神」佐々木主浩氏(50=宮城・東北出身)がそれぞれ登板する。決勝戦では、1969年夏の決勝戦で、延長18回引き分け再試合の死闘を演じた三沢(青森)の太田幸司氏(66)と松山商(愛媛)の井上明氏(67)がダブル登板する。

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