高岡商・山田「最後は気持ち」雄叫び147球 仲間に支えられ完投

[ 2018年8月14日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会第9日・2回戦   高岡商5―4佐久長聖 ( 2018年8月13日    甲子園 )

<高岡商・佐久長聖>完投勝利を飾り、雄叫びを上げてガッツポーズをする高岡商・山田(撮影・坂田 高浩)
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 プロ注目左腕の底力だった。1点差まで詰め寄られた9回2死一、二塁。フルカウントから3番・上神をこの日最速144キロの直球で空振り三振に仕留めると、高岡商(富山)・山田は歓喜の雄叫びを上げた。「ここで抑えないとエースじゃない。思い切り腕を振りました」。147球で4失点完投。9安打を許したが8三振を奪った。

 最速148キロを誇る超高校級だが、昨夏の甲子園は1回1/3を投げて6失点。ここから低迷した。球威が戻らず、今夏の富山大会は2試合に登板して11失点。決勝は出番がなかった。甲子園では佐賀商との1回戦で7回1失点と復調の兆しを見せたが、両足にけいれんを起こして途中降板。公式戦での9回完投は今年初めてだった。

 「最後は気持ちだと気付きました」。9回には中前へ抜けそうな打球を中村主将が好捕したプレー、帽子に「笑顔」と書いてくれたマネジャーの思い、ピンチで「三振を取ろう」と笑いかけてくれる筏(いかだ)捕手――。全てが支えとなり、春夏通じて同校初の甲子園2勝、通算10勝目を手にした。

 富山県勢の夏は8強が最高成績。高岡商にとっても1947年以来71年ぶりの8強を懸け、大阪桐蔭と激突する。今夏のテーマは「最攻挑(さいこうちょう)」。常に攻める気持ちを持とうと仲間と考えた造語だ。自信を取り戻したエースが王者に全力で挑む。 (石川 勝己)

 ▼高岡商・吉田真監督 山田はこの試合で我慢を覚えたということじゃないですかね。一皮むけたと思います。

 ◆山田 龍聖(やまだ・りゅうせい)2000年(平12)9月7日生まれ、富山県氷見市出身の17歳。小学4年から窪スポーツ少年団野球部で野球を始め、投手と捕手。中学時代は軟式野球部に所属し、4番でエース。高岡商では2年春のセンバツで背番号11。昨夏は東海大菅生との初戦に登板し、1回1/3を6失点。3年春からエースを務める。1メートル82、80キロ。左投げ左打ち。

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