おかわり 7戦連発逃したけど…西武は止まらん10―0大勝

[ 2018年8月12日 05:30 ]

パ・リーグ   西武10―0楽天 ( 2018年8月11日    楽天生命パーク )

<楽・西>初回の第1打席、見逃し三振に倒れ悔しがる中村(撮影・篠原岳夫)
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 西武・中村剛也内野手(34)は11日の楽天戦で7試合連続本塁打のプロ野球記録に挑んだが、5打席立って1安打1打点、アーチは出なかった。それでも72年王貞治、86年ランディ・バースに続く快挙を目指した大砲のエネルギーはチームに伝わり、10―0の大勝。10年ぶりの優勝に進む中、中村には新たな「おかわり」に期待がかかる。

 右翼席の西武ファンから「ホームラン、ホームラン!」の大合唱が起きた。期待をバットに集め、中村が9回の第5打席に入った。7戦連発に挑む最後のチャンス。「自分の打撃ができればホームランになる」。そう信じたが、松井のチェンジアップを引っ掛けて遊ゴロ。大声援はため息に変わった。

 「残念!悔しい」という言葉とは真逆に中村は笑顔だった。この日は5打数1安打。5回には9試合連続安打、7試合連続打点となる左前適時打を放ったが、王、バースに並ぶことはできなかった。それでもパ・リーグタイ記録の6試合連続本塁打は「自分の打撃」を貫いた成果だ。

 02年の入団当時、ロングティーで西武第2球場のフェンスを軽く越える飛距離は目を見張るものがあった。だが、2軍戦ではプロの直球に振り遅れる。それでも当時の田辺徳雄2軍打撃コーチ(現球団本部チームアドバイザー兼調査担当)は「今は空振りしてもスピードに慣れれば打てる」と、早朝のティー打撃で自分のスイングを磨かせ、貫かせた。

 この日の左前打も直球だった。驚くのは直球に対する本塁打率だ。今季、直球に対する安打は23本。そのうち本塁打になったのが11本と、直球を捉えた安打のほぼ5割が本塁打になっている。

 「自分の打撃ができればホームランになる」という自信は、のちに西武監督として4番で起用してくれた田辺氏の指導で培った。自分の信じるスイングで6度の本塁打王も獲ってきた。記録は止まったが、中村の本塁打はこれからも止まらない。 (君島 圭介)

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2018年8月12日のニュース