野球が好きだから…42歳稼頭央のこだわり「試合に出ることが一番」

[ 2017年11月18日 05:30 ]

渡辺SD(右)に帽子をかぶせてもらい笑顔を見せる松井
Photo By スポニチ

 楽天を今季限りで退団し、03年以来15年ぶりに西武に復帰した松井稼頭央外野手(42)の入団会見が所沢市内の球団事務所で行われた。選手兼テクニカルコーチの肩書で背番号「7」に決まった。黄金時代を知る球界の野手最年長選手。08年以来10年ぶりのリーグ優勝を狙うチームに頼もしいベテランが加わった。

 レジェンドが帰ってきた。背番号7のユニホームを身にまとっての写真撮影。入団会見で緊張の面持ちだった松井は「似合ってますか?」と少年のような笑みを浮かべた。

 「鳥肌が立ちました。(背番号7を)つけると身が引き締まる。ここまできたら(現役で)とことんやりたい気持ちがある。もう一度小さな花でもいいから咲かせたい」

 引退覚悟の決断だった。楽天から来季のコーチ就任を打診されたが、「現役を続けたい気持ちが強くそちらを選んだ。この年で恥ずかしいけど野球が好きしかない。それに勝るものはない。試合に出ることが一番のこだわり」と他球団での現役続行を望んだ。オファーがあったのは古巣・西武のみ。それだけに、恩返しの気持ちは強い。「FAで出ていってまた(西武のユニホームを)着させてもらえると思わなかった。感謝してもしきれない。(守備は)どこでもできるようにしたい」と言葉に力を込めた。

 球団初の選手兼テクニカルコーチでの入団。内外野をこなす守備力、両打ちで日米通算2699安打をマークした打撃技術、3度盗塁王を獲得した走塁の極意は若手のお手本になる。それだけではない。西武に在籍した94〜03年の10年間で4度のリーグ優勝。辻監督とも2年間プレーした。「常勝軍団」を知るベテランは貴重な存在だ。日米5球団を渡り歩き「若手とやるのは僕も刺激になる。アドバイスもできるし楽しみ」と目を輝かせる。

 02年には「トリプルスリー」を達成。03年も「1番・遊撃」で打率・305、33本塁打をマークした「ミスター・レオ」だった。あれから15年。「競争が厳しくなるのは分かっている。ひと昔、ふた昔前で僕を知らないファンもいると思う。昔から応援してくれるファンの前でプレーで魅せたい」。野球への情熱は変わらない。常勝軍団再建へ、42歳のベテランが新風を吹き込む。 (平尾 類)

 ▼巨人・高橋監督(同い年の松井の西武移籍は)同級生が数少なくなっていくのは当たり前なんだけど、まだ頑張れるチャンスをもらえたのは良かったと思う。

 ◆松井 稼頭央(まつい・かずお)1975年(昭50)10月23日、大阪府生まれの42歳。PL学園では2年春に背番号1で甲子園出場。93年ドラフト3位で西武入り。96年から正遊撃手に定着、MVP1回、盗塁王3回、最多安打2回獲得。97年から7年連続でベストナインに選出された。04年にメジャー移籍し7年間プレー、11年に日本球界に復帰した。

 ≪工藤の16年に次ぐブランク≫松井が03年以来15年ぶりに西武に復帰する。西武に復帰した選手のブランクとしては工藤公康が10年に94年以来16年ぶりに戻ったのに次ぐ長さだ。また、松井は来季43歳を迎える。西武の最年長出場は工藤が10年に記録した47歳シーズンだが、43歳シーズン以上は他に79、80年野村克也(44、45歳)、15年西口文也(43歳)がいるだけ。来季1軍公式戦に出場すればチーム4人目になる。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月18日のニュース