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【石井一久 クロスファイア】“沢村賞ではない理由”もオープンにすべき

西武の菊池
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 10月30日に今年の沢村賞が発表され、巨人の菅野が受賞した。西武の(菊池)雄星とのダブル受賞という声も上がったそうだが、最終的には「ベストワンを選ぶ」という考えから、菅野が選ばれた。沢村賞には、15勝以上、150奪三振以上など、選考基準となる7項目があり、両投手ともクリアしたのは5項目で全く同じ。そうなると、「なぜ菅野で、なぜ雄星ではないのか」という理由がいまひとつはっきり見えないように感じる。

 そもそも、数字だけで選ぶならコンピューターが決めればいい。そこには沢村賞受賞経験者らによる「人の目」が入る。フィギュアスケートもそうだが採点者の印象というものは当然、加味される。今年のように甲乙つけがたい2人がいる時は、選ばなかった理由をしっかり提示してあげた方が、選手も野球ファンも納得するのではないか。僕がもし雄星でない理由を挙げるなら、「勝ち星を稼いだチームに偏りがある」と言うだろう。

 MLBのサイ・ヤング賞は全米野球記者協会による記者投票で決まるが、どの記者が誰に投票したかは公表されるので、それだけ責任がある。かつて01年にイチローの新人王に唯一、1位票を投じずに批判された記者は、理由をはっきり述べて反論したことがあった。

 確かに数字の力は偉大だし、説得力がある。ただ、単純な数字の比較になると、やはりリーグの違いはある。来年からは選考基準の補足として、新たに「沢村賞独自の基準で定めたクオリティースタート(7回以上、自責点3以下)の達成率」が加わるが、それは投手が代打を出される可能性があるセの投手の方が不利になる。奪三振は同じ200個でも、投手が打席に入るセの投手の方が有利だ。でも、今の時代はデータも細かくなっており、もっと深い部分で比較することはできる。日本も、そういう議論はもっとオープンにしてもいいのではないか。

 沢村賞は偉大な賞だが、今の野球少年たちは、その価値をどのぐらい分かっているのだろうか。特別な賞であるためにも、もっと多くの目や視点から厳選される必要があるのではないか。(スポニチ本紙評論家)

[ 2017年11月8日 09:30 ]

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