大阪市立大24年ぶりV王手 土井岳主将「集中力維持できた」

[ 2017年10月21日 08:22 ]

近畿学生野球連盟   大阪市立大8―6大工大 ( 2017年10月20日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

リーグ制覇に王手をかけ、充実した表情をみせる土井(右)、塘本(左)ら大阪市立大ナイン
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 2回戦3試合があり、大阪市立大が大工大を破って勝ち点を4に伸ばし、1993年以来、24年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。21日の神戸大戦に勝つか、奈良学園大が阪南大に敗れれば、優勝が決まる。今秋ドラフト上位候補に挙がる宮本丈内野手(4年=履正社)擁する奈良学園大は和歌山大に8回コールド負けを喫した。

 大阪市立大が24年ぶり3度目の優勝に王手をかけた。雨中の一戦は、大工大に計15安打を浴びせて逆転勝ち。勝ち点を4に伸ばした。泥だらけのユニホームは勲章の証しだ。プロ志望届を提出した捕手の土井岳主将(4年=畝傍)は「(甲子園であった)CSの時よりグラウンド状態はマシだと思います。最後まで集中力を維持することができました」と胸を張った。

 部を率いるのは2010年に就任したOBの辻盛英一監督(41)だ。「うちのような大学にいい投手が入学する可能性は低いです。だったら、1試合で3点以上取る野球を目指そうと。ビッグイニングをつくるのが理想です」。攻撃野球を掲げ、練習の9割を打撃と走塁に特化して強化を図ってきた。今春も秋も鋭い打撃で昨春大学選手権4強入りの奈良学園大から勝ち点を挙げるなど、着実に成果を上げてきた。

 指揮官が入部してくる新入生に必ず言う言葉がある。「やるからには、プロ野球選手や社会人野球の選手を目指そうやないか」―。部員の大半は就職希望だが、あえて意識付けから変えていった。実際、今秋ドラフトで同部史上初のプロ野球選手が誕生するかもしれない。土井のもとには巨人から調査書が届いている。北野智大外野手(4年=那賀)、岡野乾造投手(4年=橿原)は卒業後、社会人野球でプレーを続ける予定だ。土井は指揮官の言葉に「心に刺さる言葉でしたし、ロマンを感じました」とうなずく。

 辻盛監督はメットライフ生命営業職と二足のわらじだ。奈良学園大を率いる酒井真二監督とは同学年。同時期に主将として、指揮官として、しのぎを削ってきた間柄だ。「奈良学園大はスーパースターの集まり。素晴らしいチームですが、そこを倒したいという気持ちでやってきましたから」。創部102年目。3度目の頂点は、もう手の届くところにある。(吉仲 博幸)

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2017年10月21日のニュース