球児　１８戦連続無失点　金本監督信頼大「ずっといい」

セ・リーグ   阪神７―５広島 （ 2017年9月21日    マツダ ）

＜広・神＞６回２死一塁、小窪から三振を奪い、笑顔を見せる藤川
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　これが猛虎の今季最大のストロングポイントだ。セ・リーグを連覇した広島に初回５失点からの逆転勝ち。敵地で見せた快勝劇は救援陣の力投なしには語れない。５回から５投手による無安打無失点リレーで主導権を奪い返した。

　「向こうは優勝しているんでね。こっちは普通にやるだけです」

　５―５に追いついた直後の６回に３番手で登板した藤川は、いつも通り淡々と振り返った。先頭打者の松山に四球は与えもメヒア、小窪を空振り三振に仕留めるなど後続をピシャリ。味方の大量得点後という難しい状況の中で再び試合を引き締め、７月３０日の中日戦から１８試合連続無失点へ伸ばした。

　絶対的な守護神として君臨していた頃もフル回転の影響で状態を落とすこともあった秋に描く好調。桑原、マテオ、ドリスの２０１７年版の「勝利の方程式」に劣らない安定感を誇り、金本監督の寄せる信頼感も日に日に厚くなってきた。

　「球児はずっといいのでね。ストライクゾーンにさえいけば、彼は十分に力を発揮できる。去年はストライクを取るのに四苦八苦して、取りにいったところを痛打されるパターンだったけど。ボール自体はスピンが効いているしね」

　１―５の５回から能見の２番手として登板した岩崎も劣勢の試合で投げるにはぜいたくなほどの好内容。広島の誇る“タナ・キク・マル”を２奪三振の３者凡退。「とにかく０でと思っていた。０点に抑えられたのが良かった」と安どの表情だった。

　他にも高橋も石崎もいる。個々の質だけでなく、層の厚さもリーグ随一のリリーフ陣がいる限り、終盤の接戦に持ち込めばどこよりも有利だ。ＣＳを前に広島に嫌なイメージを植え付けられたとすれば、しめたものだ。（山添　晴治）

　≪１８試合連続無失点≫６回から登板した藤川（神）が１イニングを無安打無失点に抑え、７月３０日中日戦から１８試合連続無失点。自身は０６年に樹立したプロ野球記録（３８試合連続無失点）を保持しているが、１８試合以上は１１年４月１６日中日戦から６月２８日広島戦以来になる。８月以降では、シーズン最多セーブのプロ野球記録（当時）をマークした０７年に防御率３・０３、１０年には防御率３・２７と崩れたが、今季は抜群の安定感。このまま８月以降を無失点で終えると初めてになる。