楽天・茂木 今季3本目!初球先頭打者弾 02年稼頭央に並ぶパ記録

[ 2017年8月10日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天6―5日本ハム ( 2017年8月9日    Koboパーク宮城 )

<楽・日>初回無死、茂木が右越えに初球先頭打者ホームランを放つ
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 積極性のかたまりだ。楽天・茂木栄五郎内野手(23)が9日の日本ハム戦で、初回先頭打者初球本塁打シーズン3本のパ・リーグタイ記録を達成した。0―1からすぐさま同点とした今季15号、6本目の先頭打者アーチで打線に点火。ソフトバンクとの「マイナス1ゲーム差」首位を守る逆転勝利を呼んだ。

 パ・リーグ35年ぶりの珍現象下で試合を迎えた。2位のソフトバンクより勝率は厘の違いで上だが、貯金は2下回る。前日の雨天中止で9つも少なくなった消化試合の違いが生んだ「マイナス1ゲーム差首位」の妙。優勝へ、1試合の重みが日を追うごとに増す。

 今週は西武を含む3強がBクラスと戦う構図。なおさら落とせない。そんな中で、初回に先制点を許した。裏の攻撃、1番・茂木が打席に向かった。

 「タイミングを直球に合わせて振り抜こうと思った。甘いところに来たので。ちょっと(打球が)上がりすぎかなと思ったけど、入って良かった」

 第1球、有原が投じたのは狙い通りの直球ではない。少し内に曲がるカットボール。だが、コースは甘く、高かった。全身の力をバットに乗せる。打球は右翼席中段で弾んだ。今季6度目の先頭打者本塁打にして、3発目の「初球」。チームの先輩・松井稼が西武時代の02年に刻んだリーグ記録に並んだ。

 右肘痛から復帰後、前日までの7試合で28打数5安打、打率・179と苦しんだ。慣れないDHでの起用。遊撃守備の負担の大きさを考慮されたものだが「打席まで時間があるから考えすぎてしまう」という。味方の守備中はベンチ裏で素振りを行うなど準備をするが、その時間が長いほど、頭が体を縛った。

 4回には左中間二塁打を放ち、復帰後初のマルチ安打。復調は確かで、首脳陣は早ければ11日のオリックス戦から遊撃を任せる方針だ。茂木は「1番、遊撃手で出たい。守備からのリズムで打席に入った方がやりやすい」と歓迎した。

 日本ハムの有原は早大の1学年先輩。「大学の時は心強い味方だった。絶対的なエース。ただ、今は相手なので、1番打者としてチャンスをつくれるように」。プロを意識したのも有原や、その同期のロッテ・中村がプロ入りしたから。食事に連れていってもらうなど、お世話になった先輩に成長を見せた。

 リードオフマンの一発で勢いづいた打線が3回に5点を挙げ、勝利へ進んだ。ここ4戦3発。4年ぶり頂点へ、恐怖の1番が帰ってきた。(黒野 有仁)

 ▼楽天・松井稼(初球本塁打は)振れる準備をしていないとできない。やみくもに振っても本塁打にはならない。準備がモノを言っている。僕は大体、引っ張っての本塁打だったけど、茂木は逆方向にも打てる。1番打者にあれだけ振られると相手投手も嫌だろう。

 ▽松井稼の02年 打率・332、36本塁打、33盗塁で史上8人目、両打ちでは初のトリプルスリーを達成した。打率と193安打はキャリアハイで、最多安打のタイトルも獲得。西武の4年ぶりのリーグ優勝の原動力となった。52年ぶりに更新したシーズン88長打は現在もプロ野球記録。

 ▼楽天・梨田監督(茂木の15号に)昨年(7本)の倍以上。あの体(1メートル71)でよくやってくれている。

 ≪03年今岡(神)の5本に次ぐ歴代2位タイ≫茂木(楽)が今季6本目の初回先頭打者アーチ。初回先頭打者本塁打のシーズン最多記録は07年高橋由(巨)の9本で、パ記録は09年西岡(ロ)まで4人の8本だが、どこまで迫るか。また、この日は今季3本目となる初球打ちの先頭弾。初回先頭打者初球本塁打をシーズン3本は、03年今岡(神)の5本に次ぐ歴代2位タイで、02年松井(西)に並ぶパ最多記録になった。なお、今季の初球成績は打率.367(49打数18安打)で6ホーマー。初球弾は柳田(ソ)の7本に次ぐパ2位タイと積極打法が長打に結びついている。

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