早稲田佐賀の“かわばた”の夏終わる 本家との再戦を果たせず…

[ 2017年8月10日 21:54 ]

第99回全国高校野球選手権大会1回戦   早稲田佐賀2―5聖心ウルスラ学園 ( 2017年8月10日    甲子園 )

似ているかな?早稲田佐賀の河本(左)と秀岳館の川端
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 早稲田佐賀の“かわばた”が、本家との再戦を果たせずに姿を消した。河本大葵(たいき、3年)が、聖心ウルスラ学園(宮崎)戦に「1番・中堅」で出場も、4打数1安打3三振で夏が終わった。

 「緊張して自分たちの野球ができなかった。(学園歌の)“都の西北”を歌いたかったが、後輩に託します」

 チーム内では河本ではなく「おい、川端」と呼ばれ、本人もまんざらではない表情を浮かべる上に、ずっと自慢していることがあった。「高校No.1・左腕」と注目される秀岳館(熊本)のエース川端健斗と、ふとした瞬間の顔が似ているとナインにいじられていた。

 それだけではない。夏の佐賀大会最後の対外試合となった、7月1日の早稲田佐賀グラウンドでの秀岳館の練習試合、ダブルヘッダーでの1試合目で、先発・川端から高校生活で唯一の本塁打を浴びせたのが河本だった。 2回1死、1ボール1ストライクから高めの直球を左中間の唐津城の石垣までライナー性で運ぶ、河本にとって通算6本目のソロ本塁打だった。「最後の対外試合で、きっちり終わろうとしたが、きれいに持っていかれました。あの1本しか、まだ打たれてません」と川端は振り返った。

 試合は2―3で負けたが河本も「あの1本で自信が付いたし、甲子園まで行けた。感謝している。もう1回、川端と秀岳館と対戦するまでは負けられないんです」と話していた。4日に抽選結果が決まり、2度勝てば隣のパートの秀岳館と対戦する可能性はあった。

 8日の開会式。河本は川端から声をかけられた。「あれは(スタンドに)入ってないから」。そっくりさん同士、笑顔で交流した。

 早稲田佐賀で不動のリードオフマンを務めた河本は甲子園を去り、これから歯科医を目指し受験勉強に入る。8月24、25日に早稲田大学の入学推薦をかけた年3度のうちの2回目の定期試験も始まる。好きな言葉は「一球同心」。一球でつながった河本の思いは聖地を介しマウンド上の川端につながるはずだ。

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2017年8月10日のニュース