“4代目”東筑・石田 無念10失点「必ず戻ってきます」

[ 2017年8月9日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権第1日・1回戦   東筑4―10済美 ( 2017年8月8日    甲子園 )

<済美・東筑>甲子園の土を集める東筑・石田
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 福岡大会で全7試合、832球を一人で投げ抜いた絶対エースが今夏初めてマウンドを譲った。8回2死。10点目を奪われたところで、東筑・石田は小走りでベンチに退いた。

 「情けない。自分の力も技も及ばなかった。甲子園(の雰囲気)にのみ込まれて緊張であたふたした。自分が自分じゃなく、制御ができなくなった」

 初回先頭から四球、死球で1死満塁のピンチを招くと、暴投で先制点を許す。3回の攻守交代時にはマウンド上にロジンバッグを忘れて慌てて取りに戻る一幕もあった。

 4回の済美の攻撃中に雨脚が強まり、1時間15分の中断。「問題はなかった」と話したが、続く5回に橋本に逆転3ラン、6回にも亀岡に2ランを浴びた。

 今春の県大会から投球時に踏むプレートの位置を、三塁側から一塁側に変更した。普通、右横手投げ投手は右打者に対して角度がついたクロスファイアの投球ができるために三塁側を踏む。しかし、石田は右打者の内角に食い込む直球、シュートを意識して、あえて一塁側、それも一番端を踏むようにした。ただ、当然、外角への制球は甘くなりがちになる。この日の2被弾もいずれも右打者に、真ん中外寄りに高く入った直球だった。

 同校では今夏を含めた6度の出場のうち4度、エースが石田姓だった。石田旭昇は「(石田)伝説にあやかってここまでこられた」と話しながらも、「夏の恐ろしさ、勝負の怖さを知った。来年は甲子園で勝てるようにしたい」と声を絞り出した。まだ2年生。3年生となる来夏の甲子園は100回記念大会で福岡県からは2校が出場できるが、石田は「この悔しさを忘れないために」とあえて甲子園の土を持ち帰った。「この悔しさを忘れない。タフになって体力も実力もつけて、必ず戻ってきます」。“石田伝説”には続きがある。(井上 満夫)

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