広島 今月中優勝決定ある?球団最速M点灯で最短8・29V可能性

[ 2017年8月9日 05:31 ]

セ・リーグ   広島1―1中日 ( 2017年8月8日    ナゴヤドーム )

<中・広>延長12回引き分けでマジック33を点灯させ、ナインを迎える緒方監督(左から5人目)
Photo By スポニチ

 5度目の正直だ。広島が8日の中日戦を今季4度目の引き分けに持ち込んだ。打線は1点差の7回1死まで無安打だったが、菊池涼介内野手(27)、丸佳浩外野手(28)が連打でつなぎ、4番・鈴木誠也外野手(22)が左前へ同点適時打。2位・阪神が敗れたため、リーグ連覇へ向けた優勝マジックナンバー「33」が球団史上最速の102試合目で初点灯。この勢いは、もう止まらない。

 延長12回を戦い終えたナインを、緒方監督は納得の表情で出迎えた。勝てなかった。それでも負けなかったことで、ついにリーグ連覇へのマジックナンバー33が点灯した。「相手の投手に抑え込まれたけど、最初のチャンスでしっかり1点を取ってくれた」。得点圏に走者が進んだのは一度だけ。ワンチャンスを逃さなかった集中力に指揮官は目を細めた。

 扉をこじ開けたのは4番・鈴木だ。中日先発・鈴木の前に打線は7回1死まで無安打。その1点ビハインドの場面で、菊池が初安打となる中前打を放って流れを呼び込む。続く丸の右翼線二塁打で二、三塁。ここで鈴木がカウント2―1から高めの142キロ直球を力でねじ伏せた。強引に引っ張った打球が左前へ。ノーヒットから一転、炎の3連打。値千金の同点適時打でリーグトップの打点を82に伸ばした。

 「なかなかヒットが出ない中で、ああいう場面で打てて良かった」。4番として堂々たる働きぶりを見せる22歳は、普段から「自分の成績はどうでもいい。チームが勝てばいい」と口癖のように言う。底知れぬ探究心。当たり前のように早出練習を繰り返し、最良の形を求めて試合によってフォームを変えることもある。日々これ、成長。そんな姿は、連覇を目指すチームそのものを象徴している。

 今季はここまでマジック点灯を目前にしながら、4度の足踏み。「5度目の正直」にしてついに光をともした。これまでは80年、昨季の8月24日が球団最速の点灯だったが、今回は16日も上回る。試合数も昨季より15戦早い。残り41試合で2位・阪神とは9・5ゲーム差と、独走態勢は盤石。「よく粘ってくれた。6連戦の頭を落とさなかったのは大きい」と緒方監督は価値ある引き分けを称えた。

 さあ、連覇へのカウントダウン。それでもチームには油断も慢心もない。「まだ何十試合も残っているし、いずれまたヤマが来る。マジックは気にしていない。一試合一試合、(全力で)戦って減らしていくだけ」。試合後、鈴木は強い言葉でナインの思いを代弁した。暑い夏は、今年も熱いカープの夏だ。

 ≪最短優勝決定日は8月29日≫広島に優勝へのマジックナンバー33が点灯した。マジック対象の阪神が残り45試合に全勝で98勝44敗1分けの勝率・690。広島は残り41試合のうち阪神戦8試合に全敗でも他カードで33勝を挙げれば、最終96勝43敗4分けの・691となり阪神を上回るため。なお、広島のマジック点灯は昨年に続き2年連続8度目。8月8日の点灯は80、16年の8月24日を抜く球団最速になった。現日程での最短優勝決定日は8月29日。

続きを表示

この記事のフォト

2017年8月9日のニュース